YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

Paul Ryan

2010-04-15 01:29:50 | アメリカ政治
私が高校3年生の時、証券会社の営業をしていた叔父の家に泊まった事がある。叔父は、車が好きで地元の工業高校から日産に就職して、富士スピードウェイのトイレで高橋国光の隣で小便した事が自慢だったりするちょっと風変わりな人であるが、当時は、兎に角、証券会社の営業をしていた。

何がキッカケだったか忘れたが、アメリカの議員名簿(キチンと本になっている日本語での名簿であった)を取り出し、経済(究極的には株式市場?)を理解(予想?)するには、政治、それもアメリカの政治、故にアメリカの国会議員達がどんな経歴で、どんな考え方をしているのを知る事が必要であると、高校生の私に力説したのである。もちろんインパクトがあったのでこうして記憶しているのであるが、真意は何だったのだろう?まあ、その時、何か気になる事があって言っただけの様な気もする。その辺は血筋を感じる。(私の16歳の誕生日に『竜馬がいく』をプレゼントしてくれたのも、この叔父である)

で、 Paul Ryan である。(オフシャルサイトはこちら)ウインスコンシン州選出の共和党下院議員で40歳、既に6期12年目である。共和党の中でも保守派として知られており、下院の財政委員会の共和党幹部でもある。

健康保険改革法案が上院可決で成立する前に、オバマ大統領がホストとなり、民主党と共和党の話し合い(オバマと民主党のパーフォーマンスで、結局、平行線)で、Obamacare の予算的な矛盾を鋭く指摘して、業を煮やしたオバマ大統領が質問を打ち切る場面もあった。

財政健全化を掲げる共和党の顔として、元々彼のアイデアを基にして作成された A Roadmap for America's Future を紹介している。最近は、テレビのインタビュー出演も多く、オバマ政権の財政上の問題点を数字に基づいて的確に分析している。

2004年のオバマの登場は、完全に見逃したが、 Paul Ryan の登場と成長は、確と見れそうである。(でも、12年も下院議員しているのに、全く知らなかった)ウインスコンシン州出身の白人だし、伝統的アメリカンボーイのイメージも残っており、ルックスも悪くない。現在は、財政通として売り出し中であるが、外交の経験等もどんどん積んでいけば、共和党を代表する政治家になる日は遠くないと思う。

一昨年の Sarah Palinといい、アメリカ政治シーンの人材の豊富さには溜め息が出る。(そう言う意味では、オバマも)

数日前のラジオインタビューでは、大統領選出馬は否定していたが、次期共和党大統領の元で、官僚なり副大統領なりを経験して、是非、将来、大統領を目指して貰いたいものである。

不肖の甥である私は、『竜馬がいく』を読んでも孫正義になれず、30年経ってナントナク、議員の経歴、考え方を知る事が大切である事を、やっと理解するに至ったのである。