社会保障・税一体改革関連法案が紆余曲折を経てようやく衆議院を通過した。
NHKの国会中継を見ながらその採決の様子を見ていたが、いらいらが募るばかりで、これが国難に直面している我が国の政治の場かとがっかりしていた。
民主・自民・公明3党合意が為されて、スムースに衆議院で採決されて通過かと期待していたが、通過はしたものの与党民主党から大量の造反者が出て、またもや決められない政治・政局が続くようである。
賛否両論がぶつかり合ってここまでも無駄な時間が費やされたと考えているが、反対議員や小沢一派の主張は、相変わらずマニュフェスト違反だとか、先にまだやることがあるの一点張りで、党利党略・個利個略にしか見えてこない。
マスコミ報道で見る限り、世界一の債務残高を有して危機的状況にあるこの国の財政健全化への方策をどう考えているのか?その道筋がまったく示されていないのである。
この国は800兆円に近い債務残高(対GDP比 240%)を抱えており、さらに基礎的財政収支は対GDP比 -10%だそうで、社会保障費は今後年間1兆円づつ増え続けていくという。
その状況は、ダントツで世界で最悪の状況となっており、ギリシャやイタリアの比ではなく、待ったなしである。
その財政健全化に向けての財政赤字解消の道筋さえ、国民に明示されず、将来に亘る社会保障の仕組みと財政構造をどうするのか、その実態すら知らない国民が多く不安は募るばかりである。
国民は、税金が上がることを喜ぶ人がいるはずがなく、財政健全化のために具体的な数値を示して施策を説明するのが政治家の責任である。
マニュフェストに反するのなら健全化への対案を示し、国難を救う対策を示すべきである。
今さら「壊し屋」に何が出来るのか?民主党は、結束ではなく厳正な処分を科して、決然と統治機能を発揮してけじめをつけて、主要政策の実現に向かうことが大切である。
今、消費増税を先送りして、社会保障制度や財政破綻をきたすことは、この国が第2のギリシャとなり、国民の生活の未来は無いのである。
国民も、苦しいから困るとか、まだ先にやることがあるなどに誤魔化されてはいけないのである。
無駄を無くし、歳出削減を進めることは当然であり、並行して進めて我々は享受せねばならず、この危機的状況を脱するには、待ったなしである・・・・