日、月、火、水、木、金、土。
曜日の名前は、惑星と太陽と月の名前に由来します。太陽─月─火星─水星─木星─金星─土星。この順番はどうやって決められたのでしょうか?
曜日のルーツは、古代バビロニアにあります。前7世紀に新バビロニアという国を建てたカルデア人は、まず肉眼で見える5つの惑星と太陽・月を、土星─木星─火星─太陽─金星─水星─月と「遠い」順に並べます。「遠い・近い」ということを、望遠鏡もない時代によく判断できたものだと思うのですが、それはともかく、バビロニアには既に1日=24時間という概念があって、1時間ごとに先ほどの順番で星を当てはめていました。たとえば、第1日の第1時間目(0:00~1:00)に土星、次の1時間に木星…というように割り振っていくのです。彼らの考えでは、1日の最初の1時間を支配する星がその日一日を支配します。つまり、第1日を支配する星は土星、第2日は日(太陽)、第3日は月…となります。そう、この順番が現在の曜日の順番となるわけです(下の表の縦の列)。
日\時間→0 >1>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・>23>24(時間)
↓
第1日 土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火
第2日 日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水
第3日 月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木
第4日 火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金
第5日 水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土
第6日 木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日
第7日 金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月
当時は、土曜日が週の始まりの日だったのですね。のちにキリスト教が広まると、日曜日が安息日として週の始まりの日になります。キリスト教でなぜ日曜日が安息日になったかというと、この日にイエスが「復活」したからです。イエスが処刑されたのは金曜日とされていますが、3日後の日曜日に彼が復活したことに因んでこの日を祈りの日としたわけです。
ところで、そもそも「曜日」というのは、7日間を「週」とすることに基づいていますが、「週」という概念はいったいいつ頃から登場したのでしょうか?
暦の単位を見ると、1年は地球が太陽の周りを1周する時間、1日は地球が1回自転する時間、1月(ひとつき)は月の満ち欠けと、それぞれ天体の動きに基づいていますが、「7日」つまり「週」というのは天文現象とは関係ありません。
太陰暦を使っていたバビロニアでは、新月から数えて7日ごとに休日を設けていました。ユダヤ教の聖典である旧約聖書の冒頭、「創世記」には、天と地とを作った神が7日目に休まれた、と書いてあります。新約聖書の「ヨハネの黙示録」には、7つの教会、7つの封印、7人の天使、海からの獣の7つの頭など、「7」という数字が頻繁にしかも象徴的に登場します。「7」という数字は、古代の人にとって特別な数字だったようです。「7」という数字が先にあって、惑星+太陽+月(太陽も月もさかんに動くから古代の人にとってはみんな「惑星」なのですが)の数がたまたま7つだったので後付けで7日間を「週」とし、惑星の名前を付けたのではないかと思っています。
さて、英語の曜日名ですが、Sunday=太陽の日、Monday=月の日、Saturday=土星(Saturn)の日なんかは惑星との関係がわかるのですが、Tuesday=火星の日、Wednesday=水星の日、Thursday=木星の日、Friday=金星の日って、一見結びつかないと思いませんか?
惑星の名前は、ローマの神々(元々はギリシアの神々)の名前に由来していることは昨日書いた通りですが、実は、火、水、木、金の各曜日の英語名は、ローマ神話の神々を、北欧神話の神の名に置き換えているのです。
火星:ローマ神話のいくさの神マース→北欧神話の軍神チュールの日→Tuesday
水星:ローマ神話の伝令の神マーキュリー→北欧神話の主神オーディンの日→Wednesday
木星:ローマ神話の主神ジュピター→北欧神話の雷神トールの日→Thursday
金星:ローマ神話の美の女神ヴィーナス→北欧神話の美の女神フレイアの日→Friday
水星と木星の置き換えにちょっと違和感もありますが、マーキュリーとオーディンはどちらも「速い」という共通点があるし、ジュピター=ゼウスはもともと雷神であると考えれば、同一視されたのもうなずけます。
では日本に「週」という概念が入ってくるのはいつ頃からなのでしょうか。日本には、古代から「七曜暦」というのがありました。ただこれは純粋に太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の7つの星の位置を示す暦で、「週」を表していたわけではありません。そもそも「曜」とは「光り輝く」という意味で、「七曜」とはこの7つの輝く星を意味していたにすぎないのです。
これを「週」にあてはめたのは、明治になって太陽暦が採用されてからです。今のように日曜日を休暇、土曜日を半日休暇(今では土曜日も休日のところが多いですが)とすることとし、「1週間」というサイクルが私たちの生活に浸透するようになったのは、明治以降のことなのでした。
曜日の名前は、惑星と太陽と月の名前に由来します。太陽─月─火星─水星─木星─金星─土星。この順番はどうやって決められたのでしょうか?
曜日のルーツは、古代バビロニアにあります。前7世紀に新バビロニアという国を建てたカルデア人は、まず肉眼で見える5つの惑星と太陽・月を、土星─木星─火星─太陽─金星─水星─月と「遠い」順に並べます。「遠い・近い」ということを、望遠鏡もない時代によく判断できたものだと思うのですが、それはともかく、バビロニアには既に1日=24時間という概念があって、1時間ごとに先ほどの順番で星を当てはめていました。たとえば、第1日の第1時間目(0:00~1:00)に土星、次の1時間に木星…というように割り振っていくのです。彼らの考えでは、1日の最初の1時間を支配する星がその日一日を支配します。つまり、第1日を支配する星は土星、第2日は日(太陽)、第3日は月…となります。そう、この順番が現在の曜日の順番となるわけです(下の表の縦の列)。
日\時間→0 >1>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・>23>24(時間)
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第1日 土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火
第2日 日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水
第3日 月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木
第4日 火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金
第5日 水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土
第6日 木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日
第7日 金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月
当時は、土曜日が週の始まりの日だったのですね。のちにキリスト教が広まると、日曜日が安息日として週の始まりの日になります。キリスト教でなぜ日曜日が安息日になったかというと、この日にイエスが「復活」したからです。イエスが処刑されたのは金曜日とされていますが、3日後の日曜日に彼が復活したことに因んでこの日を祈りの日としたわけです。
ところで、そもそも「曜日」というのは、7日間を「週」とすることに基づいていますが、「週」という概念はいったいいつ頃から登場したのでしょうか?
暦の単位を見ると、1年は地球が太陽の周りを1周する時間、1日は地球が1回自転する時間、1月(ひとつき)は月の満ち欠けと、それぞれ天体の動きに基づいていますが、「7日」つまり「週」というのは天文現象とは関係ありません。
太陰暦を使っていたバビロニアでは、新月から数えて7日ごとに休日を設けていました。ユダヤ教の聖典である旧約聖書の冒頭、「創世記」には、天と地とを作った神が7日目に休まれた、と書いてあります。新約聖書の「ヨハネの黙示録」には、7つの教会、7つの封印、7人の天使、海からの獣の7つの頭など、「7」という数字が頻繁にしかも象徴的に登場します。「7」という数字は、古代の人にとって特別な数字だったようです。「7」という数字が先にあって、惑星+太陽+月(太陽も月もさかんに動くから古代の人にとってはみんな「惑星」なのですが)の数がたまたま7つだったので後付けで7日間を「週」とし、惑星の名前を付けたのではないかと思っています。
さて、英語の曜日名ですが、Sunday=太陽の日、Monday=月の日、Saturday=土星(Saturn)の日なんかは惑星との関係がわかるのですが、Tuesday=火星の日、Wednesday=水星の日、Thursday=木星の日、Friday=金星の日って、一見結びつかないと思いませんか?
惑星の名前は、ローマの神々(元々はギリシアの神々)の名前に由来していることは昨日書いた通りですが、実は、火、水、木、金の各曜日の英語名は、ローマ神話の神々を、北欧神話の神の名に置き換えているのです。
火星:ローマ神話のいくさの神マース→北欧神話の軍神チュールの日→Tuesday
水星:ローマ神話の伝令の神マーキュリー→北欧神話の主神オーディンの日→Wednesday
木星:ローマ神話の主神ジュピター→北欧神話の雷神トールの日→Thursday
金星:ローマ神話の美の女神ヴィーナス→北欧神話の美の女神フレイアの日→Friday
水星と木星の置き換えにちょっと違和感もありますが、マーキュリーとオーディンはどちらも「速い」という共通点があるし、ジュピター=ゼウスはもともと雷神であると考えれば、同一視されたのもうなずけます。
では日本に「週」という概念が入ってくるのはいつ頃からなのでしょうか。日本には、古代から「七曜暦」というのがありました。ただこれは純粋に太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の7つの星の位置を示す暦で、「週」を表していたわけではありません。そもそも「曜」とは「光り輝く」という意味で、「七曜」とはこの7つの輝く星を意味していたにすぎないのです。
これを「週」にあてはめたのは、明治になって太陽暦が採用されてからです。今のように日曜日を休暇、土曜日を半日休暇(今では土曜日も休日のところが多いですが)とすることとし、「1週間」というサイクルが私たちの生活に浸透するようになったのは、明治以降のことなのでした。
いつも、拝読させていただいております。そして博識に感服しています。今日の曜日も「ふ~ん、へぇ~そうなんだ」の連続でした。これからも楽しみにしています。このホームページに触発されて『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』も読みました。映画も見ました。これからもご推奨の本や映画があったら紹介してください。
自分が面白いなと思ったことを伝えたい、という思いだけでブログを続けていますが、どうしたらちゃんと伝わるのか、伝えられるのかと悩む日々でもあります。
励みとなるコメント、ほんとにありがとうございました。