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カクレマショウ

やっぴBLOG

夢と志。現場と仕組み。

2008-01-21 | └キャリア教育
先日、「ジョブカフェあおもり」の出前授業の様子を見てきました。総合学科を持つ青森中央高校1年生約240人を対象とした、職業について考える授業です。総合学科の特徴でもある「産業社会と人間」という教科の中で、1年間にわたる取組の中の4回分をジョブカフェが担当するという仕組みになっています。よく見られるような学校からの「丸投げ」では決してなく、学校は1年間の学習に使用するオリジナル・テキストを作成し、それに沿った形でジョブカフェや外部の講師が支援するというものです。ジョブカフェの方も何を求められているかをきちんと把握しているし、さすが、学校と上手にリンクできているなと思いました。

今回は、4回のうち3回目。テーマは「もし働かなければ?」。ゲストとして、県庁職員(男性)と弘前の自動車関連会社の人事課長(女性)の二人が招かれていましたが、いずれも30歳前後で、大学卒業後に「フリーター」の経験があるということでした。打合せの際、担当のジョブカフェの方は、生徒の前で話してもらう人はできるだけ年が近い人がいいと言っていました。なるほど、確かに生徒にとっては、20年も30年も前の体験談を聞くより、つい何年間か前の話の方がリアリティをもって聞くことができるだろうなと思いました。

仕事をしていなかった時期に、お金を稼がなきゃという焦りより、社会からはじき出されるのではないかという不安の方が大きかったとか、仕事をやめたいと思った時もあったが、仕事をしていなかった時期があったからこそ乗り切れたとか、自分に合わないと思っても、社会の中での責任を果たすために仕事をしなければいけない時もあるとか、お二人の話が、高校生の心にびんびん響いてくれたらいいなと思いました。

こういう話を聞くと、たとえフリーターをしていても、したい仕事が見つからなくても、肝心なのは自分自身がちゃんと「志」を持っているかどうかなんだろうと思いました。先日からNHKで始まった土曜ドラマ「フルスイング」では、主人公の元・プロ野球コーチが、初めて高校の教壇に立ってまず口にしたのは「夢」を持つことの大切さでした。人間、何歳になっても夢を持つことは大事です。でも、夢を実現するためには、「志」が必要だと思います。どうしてその夢を抱いているのか、そして、どうすればその夢を実現できるかを、自分の中でちゃんとイメージできるかどうか。そういうのが「志」なのでは、と私は思っています。

夢があっても、その夢に向かっていく「志」を持つこと、きちんとした大人は、みんな「志」を持っていることを、子どもたちに見せてあげたいと思う。

それにしても、私たちが子どもの頃は、こういう、職業について体系的に考えるような授業はありませんでした。先生以外の大人の話を学校で聞くことも、今よりずっと少なかった。そういう意味では、学校教育は確実に「進歩」していると思います。学校と地域社会がうまく連携してこのような教育を進めていったなら、これからの社会はきっと変わる。全体としての仕組みとしては、まだまだ整えなくてはならないことが多いんですけどね。ただ、仕組みというのは、きっと、こういう個別の着実な取組があってこそ機能するものなのでしょう。カタチだけ整えても、中身が空っぽじゃ何も意味はない。


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