残業していたら、携帯が鳴りました。高知に住むYさんからの電話でした。
「テレビでそっちものすごい寒いって聞いて電話してみたんヨ~」って、いつもの土佐弁に、気持ちがほっとほぐれていきました。
彼女は、10年以上前にある研修で出会った「生徒」さん。私よりずっと年上で、もうやめてくださいと言っているのに、今でも私のことを「先生」と呼ぶ。当時の研修仲間のネットワークの中心にいて、時折仲間から原稿を集めては「通信」を作って全国に散らばる仲間に送ってくれていました。私にまでその便りを届けてくれて、皆さんの活躍ぶりを知ることができて、いつも楽しみにしていました。
折りにふれては今日のように突然電話を掛けてくれる。センセ、元気にしとる?今こんなことがんばってるんよーと楽しそうに話してくれます。去年の震災の時も、心配して真っ先に電話をくれたのは彼女でした。当時、福島県から参加していた仲間が無事だということも教えてくれて、一安心したものでした。
Yさんは、もともと小学校の先生なのですが、一方で、参加型学習の手法を取り入れた人権学習のプロフェッショナルでもあります。本も書いています。数年前には青森にも人権学習の講師としてお招きしたことがありました。Yさんと話をしていると、本当にこの人は、人間が好きなんだなあということが分かる。人が好きだから、子どもたちが大好きだから、「人権」にとても敏感で、自分が人を傷つけることはもちろん、他人が他人を傷つけることを決して許さない。みんなが「人権感覚」を高めていくためにはどうしたらいいのか、いつも悩み、試行錯誤しながら人権学習の場で実践を積み重ねて来た方です。
Yさんと出会った当時は、学校と社会教育(地域)の連携とか「融合」だとかさかんに言われ始めた頃で、研修でもそういうテーマを取り上げていました。彼女はのちに校長として赴任した山あいの小さな小学校で、さっそくそれを実践しています。地域の人たちを学校に集めて、地域の大人と子どもたちが一緒に学べる場をつくったのです。今日の電話で聞いてみたら、彼女が異動したあとも、ちゃんと地域の人たちが、その「おとなの学校」を継続させているんだって。これはすごいことです。手がけた校長がいなくなったら、とたんに途絶えてしまうのが世の常ですから。きっと、後任の校長にも、彼女の思いが地域の人たちを通じて受け継がれていったのでしょう。「Y校長」自身が地域にしっかり根付いていた証拠だろうと思っています。
退職されてから自ら教育関係の組織を立ち上げ、今は人権ワークショップを中心として、ネットや携帯のリテラシー問題まで、年間100回以上の講演、ワークショップをこなしているのだとか。そのバイタリティ、ほんの少しでいいから私にも分けて欲しい!と、話しているといつも思います。
忙しさのあまり、しばら休眠状態だった「通信」も、そろそろ再開しよかな、とYさん。はい、ぜひお願いします! 電話の最後には「センセと話せてまた元気出たワ~」と泣かせることを言ってくださる。いえいえ、元気をもらっているのは私のほうですよ。いつもありがとうございます!
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