カクレマショウ

やっぴBLOG

12月8日は何の日?

2006-12-10 | ■世界史
日本時間の1941年12月8日、日本海軍はアメリカ太平洋艦隊の基地であるハワイ・オアフ島の真珠湾に奇襲攻撃を仕掛け、米国と交戦状態に入りました。同時に、当時英国の植民地だったマレー半島のコタバルにも侵攻、英国とも開戦しました。

12月8日というのは「太平洋戦争」の開戦の日なのです。戦争が終結した「8月15日」は、日本人なら「終戦記念日」としてほとんどの人が知っていると思いますが、それにひきかえ、「12月8日」が話題になることは少ない。テレビでは戦争を振り返るドラマや特集が組まれたりもしますけど。

ところで、太平洋戦争に突入する前、日本は既に中国とも戦争を行っていました。1931年9月18日、当時中国東北部(満州)に駐留していた関東軍が、柳条湖の南満州鉄道の線路を自ら爆破し、それを中国側のしわざとして、それを口実に軍事行動を開始します。この「満州事変」により、日本はロボット国家「満州国」を樹立し、事実上の支配権を握ります。

1937年7月7日、北京郊外の盧溝橋(ろこうきょう)で日本軍と中国軍の軍事衝突が起こり(盧溝橋事件)、日本軍部は中国との全面戦争に突入します。これが日中戦争です。当時、日本は「支那事変」と呼んでいました。「事変」というのは、満州事変もそうですが、日本は国際法に定められた宣戦布告をしていないため、国際法上の「戦争」という名称を避けたものです。

日中戦争の泥沼化は、資源の少ない日本を圧迫したため、軍部は打開の道を南方に求めました。米・英はこれ以上の侵略を認めるわけにはいきません。1941年12月8日の奇襲は、こうした国際状況の中で起こりました。

戦争が「敗戦」という形で終了したことを悲劇的に象徴するのが「8月15日」という日。しかし、「9月18日」とか「7月7日」、そして「12月8日」といった日本(軍部)が戦争を自ら引き起こした日のことをもっと心にとどめておく必要があるのではないでしょうか。「開戦の日」という記念日を二度と作らないためにも。
 

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2 コメント

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米国の12月7日 (しおね)
2006-12-10 21:21:19
はじめまして。クリントン大統領時代の最後の12月にワシントンに行きました。その頃は気楽にホワイトハウスの見学ができました。その列に並んでいたらホワイトハウスは勿論、周りの官庁の建物の星条旗がみな半旗になっていました。何故だろうといろいろ考えて、はたと気がつきました。(しゃれではありません)
その日は12月7日、日本では12月8日だったんです。ちょっとショックでしたし、日本人として考えさせられました。12月8日になるとあの日のホワイトハウスを思い出します。ホワイトハウスの中はクリスマスの飾りで美しかったですが。
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米国の口実 (やっぴ)
2006-12-12 12:26:56
しおねさん こんにちは。
米国にとって12月7日は「リメンバー・パールハーバー」の日ですね。ハワイとはいえ、米国史上初めて本土が攻撃された日です。当時のルーズベルト大統領が日本に先制攻撃を仕掛けさせた、というのは今や公然の事実となっていますが、それでもなお米国人にとっては真珠湾奇襲は忘れられない屈辱の日のようです。

9月11日は、米国にとって2度目の攻撃を受けた日。米国はこれをイラク戦争を正当化する口実に使いました。なんだか、やってることは同じだよなーと思いますね。
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