カクレマショウ

やっぴBLOG

ロート製薬の長期的な復興支援を教えることも「支援」につながる。

2011-10-17 | └キャリア教育
ある教育関連会社の機関誌に、香山リカさんのコラムが連載されていて、いつもいいこと書いてくれているのですが、最新号は「わたしのすべきことはなに?」というタイトル。

震災を機に、「自分なりに「家族とは、命とは」という大きな問題に向き合っている」だろう子どもたちから、「私も被災した人たちのために何かしたい」と言われたら、親は何と答えるか。

「あなたができることなんて何もないんだから、まずは自分の勉強をしなさい」なのか、「被災地のことを考えられるあなたはやさしい子だね」なのか? 香山さんは、もちろんその子の気持ちを大切にしてあげられる後者の答えを期待する。

でも、実際に、じゃあ被災地のために何ができるか、という問いには答えていない。私は、じゃあ「一緒に考えてみようか」という答えがとりあえずベストかなと思うのですが、香山さんは、もうちょっと先のことを考えています。

つまり、「「いますぐ何かをしたい」と先を急ぐ子には、「ちょっと待って」と声をかけることも必要」ということなのです。「今回の震災の支援は、長い道のりになる。もしかしすると、いま10歳の子が大学生になる頃でも、まだ復興ボランティアを必要としているかもしれない。そういうときに、まわりのことも自分のことも大切にできるボランティアになるためには、どんな準備が必要なのか。」

準備。

そう、子どもの教育って、すべて「準備」なのですね。ちゃんとした大人になるための準備。だから、学校ではいくら間違ってもいい。間違うことを恐れちゃいけない。そして、間違った子どもに対して、大人はあたたかい目で見てあげる、きちんとフォローしてあげることが大事。

香山さんは、「“未来の支援者”になるための準備も、立派な支援なのだ」と言います。たたとえば、ボランティア活動に行った人が新聞や雑誌などにいる人たちの記事などを読んで、「もし私がボランティアだったら」とみんな話し合うとか。

「支援って、今すぐ何かをしてあげたり、ものをあげたりすることだけじゃないんだよ。子どもたちにはそう伝えて、長い目でそのやさしい心を大切にできる人になってもらいたい。」

なるほど。深く共感します。

一方で、大人の世界では、ものすごい「大人っぽい」本格的な支援をしている例もあります。ロート製薬が言いだしっぺとなって、カゴメ、カルビーの3社で、震災で親を亡くした子どもたちの大学進学を支援するための奨学基金(「みちのく未来基金」)を設立するというもの。その額、なんと40億円! 震災孤児約2,000人のうち、基金の支援対象者が常に200人と仮定しての金額、なのだそうです。しかも、さらに驚くのは、支援の期間が25年間だということ。これは、今0歳の子どもが大学院を修了するまでという想定だそうです。ここまでスケールの大きな支援ができる日本の企業が存在することが素晴らしい。

ロート製薬は、震災後すぐに義援金1億円を寄付し、被災地への自社商品の提供も行っています。1,600人の社員から集まった義援金1,000万円も寄付をしているとか。しかし、こういう一時的な援助だけでなく、長期的な視野に立った復興のお手伝いをしたいというところが、ほかの企業の考え方とはちょっと違う。具体的な長期復興プランを検討するため、震災からわずか2週間後の3月25日には、宮城大学内に「震災復興支援室」を置いています。

ロート製薬は、これまでも教育CSRの一環として、中学生の薬学教育などのキャリア教育の支援をしてきています。企業には、次の世代を育てる責任があるというのが教育CSRの根本の考え方だと思いますが、この会社は、その理念を震災復興にもちゃんと活かしています。

子どもたちが将来、社会の一員として復興支援にかかわることができるようにするための準備教育の一環として、ロート製薬の取り組みは、ぜひ教えてあげたい。大人が本気で取り組んだ時のスケールの大きさを。

 

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2 コメント

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Unknown (おこあん)
2011-10-18 21:28:45
ロート製薬でいろいろな支援をしていることをここで初めて知りました。
長期的な支援こそ必要な支援ですね。募金してはい終わりではなくて。
私が気軽にいつでもできることといえば、東北産の生鮮食品や商品を購入することでしょうか。間接的にでも被災地の経済をまわしていくことに協力したいです。ありきたりだしたったそれだけのことですが、意識することが大切だと思っています。もし私に子どもがいれば、こういうことでも支援になるんだよと教えてあげたいです。(ついでに言えば食育にもつながりますね)
余談ですが、また大船渡の牡蠣食べ放題に行きたいものです。
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Unknown (やっぴ)
2011-10-19 00:23:49
いつも意識し続けること…。それが大事ですね。日々の暮らしの中で、いつも気に留めておくこと。

大船渡の牡蠣ですか! いいですねー。私は気仙沼で食べたホヤが忘れられません。
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