goo blog サービス終了のお知らせ 

カクレマショウ

やっぴBLOG

「地域づくり」の「担当部署」って。

2012-09-25 | └社会教育
来年度の事業の企画について、県庁全体のとりまとめをする部署の担当者と打ち合わせがありました。

あまり詳しくは書けませんが、生涯学習課では、「公民館」の機能を活性化して、地域づくりに関わる人材育成を図るための事業を提案しています。ところが、その担当部署の主張は、「地域づくり」とか「地域コミュニティの活性化」は、「企画政策部」の所管だから、教育委員会がこういう事業を出すのは筋違いだ…みたいなニュアンス。現に、企画政策部から「似たような」事業が上がっているから、生涯学習課の事業ときちんとすみ分けしてほしいというわけです。

正直、なにをたわけたことを言ってるのかと向かっ腹立ちました。長いこと社会教育に携わってきましたが、地域づくりに教育委員会(社会教育)が口を出してはいけないなんて、初めて聞きました。社会教育は地域づくり(地域を良くする活動)のためにこそ存在するわけで、それを取ったら、社会教育の存在意義はありません。しかも、社会「教育」ですから、組織的な「大人の学び」が前提となっている。「学び」と「地域づくり活動」が循環しながら、地域課題が一つ一つクリアされていく。それが社会教育の活動です。社会教育行政や公民館は、そういう活動を側面から支えるという役割があるはずです。

そして、地域づくりに関わる人材を「発掘」したり「育成」したり、「組織化、ネットワーク化」していくのも行政の重要な役割。特に、公民館は「集う」「学ぶ」「つなぐ」という3つの機能を持つ社会教育施設として、人づくりの面で非常に重要な役割を担ってきました。まさに、地域づくりは人づくり、なのです。

そういうことが分かってか分からないでか、くだんの担当部署は、「社会教育の立場から」、「人材育成」に特化した事業にしてもらえないかとおっしゃるわけで。

…あのぅ、人材育成だけを事業化するってことは、セミナーとか研修をやればいいってことでしょうか? それは、今までも社会教育センターで十分やってきているし、現に、社教センターの講座で育って県内で活躍している人たちはいくらでもいます。私たちが今手がけたいのは、地域の人材育成の拠点であるべき、そして今ちょっと停滞気味である公民館機能の活性化であり、それを通して、「地域づくりに関わる」人材を育成していきたい、あるいはスキルアップを図りたいということ。しかも、そのために、机上の学び(研修)だけでなく、地域づくりの企画・実践活動もセットでやりたいということ。公民館を舞台とする限り、「人材育成」と「地域づくり活動」と切り離して考えることなんて不可能なのです。地域づくりはこっちでやるから、人材育成だけ社会教育でお願い、なんてあり得ない。

もちろん、彼の立場や言い分も理解できないでもありません。特に東日本大震災以降、「地域の絆づくり」とか「地域コミュニティの活性化」は、重要な政策課題となっているし、それ以前から、「人口減少社会への対応」という切り口で企画政策部が自ら「地域づくり」施策に取り組んできたことも分かっています。

でも、これまで地域づくりに果たしてきた社会教育の役割を無視しないでもらいたい。いえ、今や地域づくりは社会教育の専売特許だというつもりは毛頭ありません。「地域づくり」とか「地域コミュニティの活性化」は様々なアプローチがあってしかるべきです。商店街の活性化とか農村集落の再生、健康増進、子育て支援、あるいは「葉っぱビジネス」のようなコミュニティビジネスという切り口もあるでしょう。行政でいえば、商工、農林、企画、市町村振興、健康、福祉、教育などあらゆる部署がそれぞれの立場で関わってきます。「地域コミュニティの活性化」に向けて、それぞれにとても重要な取組です。

では、その中で、社会教育の面からどういうアプローチができるのか。おそらく、どの分野でも共通して通用するマインドアップとかモチベーションアップ、あるいは問題解決技法など参加型学習に関わる様々な手法の紹介といったところでしょうか。今回提案している事業の資料でもそのことはきちんと触れているのですが…。

除外するのではなく、むしろ、社会教育の力をもっと利用してくれたらいいのに、と思います。ただ、その「社会教育の力」そのものが弱っている現状では、あまり強くも主張できないことも悲しかったりするわけで。

とは言っても、この壁を乗り越えなければやりたいこともできません。「妥協」、とは言いませんが、「折り合い」を見つける算段をしなくてはなりませんね。

最新の画像もっと見る

1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
酒づくワークショップ (ナイルの風)
2012-10-01 22:19:07
台風が日本縦断している日曜日。知り合いの歯医者さんに誘われて十和田市現代美術館のワークショップに参加してきました。歯医者さんの友人が杜氏で,これまた友人のアーティストとコラボして「おいしい日本酒をつくる」という壮大な計画のほんの一部のワークショップでした。業種も形態も,いろんな垣根が無い「地域を素材」にした楽しいワークショップでした。この枠組みの無さが非常に心地よかったので,今後の方向性が少し見えた気がしました。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。