カクレマショウ

やっぴBLOG

少子化と女性の就業支援

2006-06-12 | └キャリア教育
男女雇用機会均等法の成立から21年、男女平等参画社会基本法の成立から7年、基本法に基づいた男女共同参画基本計画の策定から6年。

この間、日本社会において男女平等や男女共同参画が劇的に変化したかというと、決してそんなことはなく、むしろ変わっていないことの方が多いのではないでしょうか。「数」から見ても、たとえば職場では圧倒的に男性の数の方が多いし、いろんな会議に出ても女性は数えるほどしかいません。もちろん病院や保育園・幼稚園など職種によっては女性が多い職場もありますが、職業全体から見たら、「働いている人」は男性が圧倒的に多いという点は、ちっとも変わっていないのではないかと思います。もちろん数の問題だけではなく、意識や態度、また待遇の点でも、男女の格差は依然として残っています。

先日の報道によれば、2006年度版「男女共同参画白書」では、出産や子育てのためにいったん退職した女性の再就業を支援していくことの重要性を強調しているとのこと。日本の場合、他の先進国と違って、女性の労働力率(15歳以上人口のうち、労働力人口の割合)が子育て期の30-39歳でがくんと落ち、45-49歳で再び持ち直すという傾向があります。グラフの形状はM字型になります。

2000年の日本の労働力人口は6,766万人。この年の女性の労働力率は49.3%。15歳以上の女性のうち、何らかの労働に従事しているのは半分弱というわけです。この女性の労働力率が仮に横ばいのままで推移した場合、2020年には労働力人口は約729万人も減少するのだそうです。ところで、男性の労働力率との差は2000年時点で約27ポイントありますが、この男女格差を半分に縮小すれば、労働力人口の減少は一気に約158万人まで緩和される。つまり、「M字」のへこんだ部分を上方に持ち上げることで、少子化による労働力人口の減少を最小限に食い止めることができるというわけです。

ソフトブレーングループ会長の宋文洲氏が、「少子化による労働力不足の解決策は簡単だ。ニート、フリーター、そして女性の雇用を増やすことだ」とどこかで書いていました。ニートやフリーターはともかく、仕事をしたくても子育てや家事があるために仕事に就いていない女性の雇用を促すことで、深刻な労働力不足が回避できるのは確かだと思います。

白書では、女性の子育て期の就業を支援する政府の取組をいくつか紹介していますが、子育てをしながら女性が仕事を続けるためには、もっともっと根本的な対策を講じる必要があるのではないでしょうか。一つには男性側の意識を変えること。二つ目には女性が働きやすい社会的な制度を整えること。前者については、なかなか難しいものがあるとは思いますが、いくら女性が働きやすい環境が整っても、依然として男性側の偏見が残っていては何にもなりません。二つの対策は、両方そろって初めて意味があるものだと思います。


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