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カクレマショウ

やっぴBLOG

「連呼」はなくならず、「ネット」は使えず。

2007-07-24 | ■社会/政治
参院選も投票日まで残すところ数日となりました。街頭を走る選挙カーのまき散らす「騒音」からもようやく解放されます。

選挙カーでの「連呼」について、今年の4月にYahoo!がネット意識調査をしています。それによれば、「選挙カーでの名前連呼は効果があると思う?」との問いに、73%(15270票)が「逆効果」と答えています。うなずける数字です。「うるさい日本」には慣れっこの日本人でも、選挙カーの連呼には、多くの人が「敏感に」うるさいと感じているようです(ちなみに、『うるさい日本の私』の中島氏は、もちろん、選挙カーにも「うるさいからやめろ」と言いに行っています)。多くの人がうるさい、逆効果だと感じていながら、なぜ選挙カーによる連呼はなくならないのでしょうか。

「うるさい」と感じる要因は、そのほとんどが候補者の「名前」の連呼でしかないこと、それに、「よろしく、よろしくお願いいたします」、「最後のお願いにまいりました」、「あと一歩、あと一歩でございます」という単純なフレーズの繰り返しであること、要するに、聞く人にとってあまり「意味がない」内容であることに尽きると思います。何度も名前を聞かされて、「お願い」されたからその人に投票しようなんて人はまずいないと思われます。にもかかわらず、連呼をやめない候補者は、考えようによっては、有権者を馬鹿にしているんじゃないかとも思えてきます。せめて、耳を傾ける「意味のある」ような、政策とかマニフェストを訴えてもいいのではないかと思うのですが。ん?だけど、選挙カーでは連呼しかできないことになっている、という話も聞いたことがあるし…。

で、公職選挙法を調べてみると、「選挙運動」について規定した部分にはこうありました。

(連呼行為の禁止)
第140条の2 何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前8時から午後8時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない。前項ただし書の規定により選挙運動のための連呼行為をする者は、学校(学校教育法第1条に規定する学校をいう。以下同じ。)及び病院、診療所その他の療養施設の周辺においては、静穏を保持するように努めなければならない。


法律の文章ってほんとにわかりにくい。というかまわりくどいんですけど。「連呼行為をすることができない」と言っておきながら、「ただし」で認めるくらいなら、最初から、「こういう時に限って連呼行為はできる」と書いてくれれればいいものを。

それはともかく、要するに、「選挙運動のために使用される自動車」というのはいわゆる「選挙カー」のことですから、午前8時から午後8時の時間帯なら選挙カーで「連呼」してもいいということになってるわけです(「又は船舶」というのは、この前の東京都知事選で黒川紀章氏がやってましたね!)。連呼してもいい、ね…。

ただし、次の条文にはこうありました。

(車上の選挙運動の禁止)
第141条の3 何人も、第141条(自動車、船舶及び拡声機の使用)の規定により選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない。ただし、停止した自動車の上において選挙運動のための演説をすること及び第140条の2第1項(連呼行為の禁止)ただし書の規定により自動車の上において選挙運動のための連呼行為をすることは、この限りでない。


およよん! 「選挙運動」のために使用される自動車の上においては、「選挙運動」をすることができない、とはこれいかに? わけわからん。矛盾きわまりないこの文章を勝手に解釈すれば、前者の「選挙運動」と後者の「選挙運動」は意味が違っていて、前者の方が広い意味で使っているのではないかと思われます。要するに、走行中の選挙運動に使われる車(選挙カー)では、自分の政策を具体的に訴えたりする「選挙運動」はだめ、ということなのでしょう。ただし、停まっている時はOKで、走っている時も「連呼」ならOKということ。

つまり、法律上は、確かに、選挙カーで走っているときには「連呼しかできない」という決まりになっているのでした。

でも、だからといって、あれほど「連呼」にこだわることはないのでは?と思います。どこまで言ったら「選挙運動」になるかという厳密な規定はないようですし、警察の選挙違反取り締まりでもそこのところは「さじ加減」もあるようです。

それにしても、昭和25年に制定された公職選挙法(あるいはその運用)には、時代に合わない部分も多い。いまだにインターネットによる選挙活動が認められていないこともその一つでしょう。候補者は選挙期間中、自分のWEBサイトの更新すらできないのです。

旧態依然とした意味のない「連呼」より、ネットで政策をきちんと訴えた方がよっぽど意味のある選挙活動ができるではないかと思いますけどね。特に「浮動票」頼りの候補者にとっては。

 

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