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昼休み、本屋をぶらついていると、読みたい本が次々と目に飛び込んできます。でもこれ以上「積ん読」を増やしたくないので、とりあえず買わないでおく。こうして買わないでおくと、いつの間にか買うのを忘れてしまうんですけどね。
結局、平積みコーナーでふと見つけた『谷川俊太郎の質問箱』(新潮社)だけは買うことにしました。
その足で公園に向かい、初夏の日差しの中で買ったばかりの本を開く。
この本は、「ほぼ日」に連載されていたものがもとになっています。詩人・谷川俊太郎がいろんな世代のいろんな質問に答えています。
質問一
車、飛行機、そのあとに続く乗りものって、
まだないと思うんです。
ぼくたちはこれからいったい
何に乗ればいいんでしょうか。
(キャベツ 五十七歳)
谷川さんの答
雲に乗るのもいいし、
風に乗るのもいいし、
音に乗るのもいいし、
気持ちに乗るのもいいんじゃないかなあ。
機械じゃない乗りもの、
手でさわれない乗りものが
未来の乗りものです。
これなんかは、いかにも詩人・谷川俊太郎らしい回答ですね。質問者が57歳ということもあるのでしょうか、大人の遊び心に、大人の遊び心で返してくれています。「気持ちに乗るのもいいんじゃないかなあ」ですから!
かと思うと、本人にとっては切実な、こんな質問には、きちんと誠実に答えてくれます。
質問二
私は「たわいのないおしゃべり」ができません。
いつも人のこととか、まじめな話ばっかり。
どうすればみんなみたく
楽しいトークができるようになりますか?
(もみじ 二十四歳)
谷川さんの答
自分の言いたいことをおさえて、
相手の言うことをバカにしないで聞いて、
相手の人となりに好奇心をもち、
話題についていけなくとも、その場の雰囲気を楽しむ。
おしゃべりって意味だけで成り立っているものじゃないから、
くだらんことしゃべってても
気持ちが通じるってこともあると思う。
でも楽しいトークができないのも個性のうちだからね、
まじめな話のできる相手、気の合う相手を
探すことも必要でしょう。
う~ん。最後の3行がいいですね。そのとおりだ、と私も思います。
質問11
「大人」になるということは、
どういうことなんでしょう。
谷川さんの「大人」を教えてください。
(コモモ 17歳)
谷川さんの答
自分のうちにひそんでいる子どもを怖れずに自覚して、
いつでもそこからエネルギーを汲み取れるようになれば
大人になれるんじゃないかな。
最低限の大人のルールは守らなきゃいけないけど、
ときにそのルールからはずれることができるのも、
大人の証拠。
この答にも参りました! 「大人」は、自分の中の子どもの部分を自覚して、そこからエネルギーを汲み取れる人か! 確かに、へんに大人ぶってる「大人」より、そういう「大人」には魅力的な人が多いんですよネ。
質問13
彼女の機嫌を直すには、
何がいちばん効果的ですか?
(まる 二十歳)
こんな甘ったれた質問に対しては、あえて突き放すこともある。「何か具体的な方法で謝罪の気持ちを伝える方がいい」と言って、「針金やビーズでアクセサリーを自作して贈る」とか「毎朝彼女の部屋のドアの前に自分で摘んできた野花を置く」とか、「具体的な方法」をいくつか教えてくれたあとで、最後には、「いくらでもアイディアあるだろ、あとは自分で考えろ、自分で!」。…ハハハ!
ほかにも紹介したい問答はいくらでもあるのですが、それは本を読んで確かめてもらうとして、とにかく、もし同じ質問を誰かにされても、絶対こんなふうには答えられないだろうと思うような回答ばかりなのです。谷川俊太郎が、質問者の悩み(?)に対して、自分のこれまでの生き方、今の暮らし方をきちんと踏まえた上で、そこから生まれてくる自分の感性に忠実に、もちろん、言葉を注意深く選んで答えてくれている。何より、答の文章そのものが、それぞれにちゃんと「谷川俊太郎の詩」になっているところがさすがだなあと思いました。
最後に一つだけ。ある質問の答に、こんな文章がありました。
ぼくだったらどんなことがあっても、
一生その人を裏切るような行動をしない、
そんな伝え方をするかもしれない。
…心に深く刻み込まれました。
『谷川俊太郎の質問箱』≫Amazon.co.jp![](http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=yappiblog-22&l=ur2&o=9)
結局、平積みコーナーでふと見つけた『谷川俊太郎の質問箱』(新潮社)だけは買うことにしました。
その足で公園に向かい、初夏の日差しの中で買ったばかりの本を開く。
この本は、「ほぼ日」に連載されていたものがもとになっています。詩人・谷川俊太郎がいろんな世代のいろんな質問に答えています。
質問一
車、飛行機、そのあとに続く乗りものって、
まだないと思うんです。
ぼくたちはこれからいったい
何に乗ればいいんでしょうか。
(キャベツ 五十七歳)
谷川さんの答
雲に乗るのもいいし、
風に乗るのもいいし、
音に乗るのもいいし、
気持ちに乗るのもいいんじゃないかなあ。
機械じゃない乗りもの、
手でさわれない乗りものが
未来の乗りものです。
これなんかは、いかにも詩人・谷川俊太郎らしい回答ですね。質問者が57歳ということもあるのでしょうか、大人の遊び心に、大人の遊び心で返してくれています。「気持ちに乗るのもいいんじゃないかなあ」ですから!
かと思うと、本人にとっては切実な、こんな質問には、きちんと誠実に答えてくれます。
質問二
私は「たわいのないおしゃべり」ができません。
いつも人のこととか、まじめな話ばっかり。
どうすればみんなみたく
楽しいトークができるようになりますか?
(もみじ 二十四歳)
谷川さんの答
自分の言いたいことをおさえて、
相手の言うことをバカにしないで聞いて、
相手の人となりに好奇心をもち、
話題についていけなくとも、その場の雰囲気を楽しむ。
おしゃべりって意味だけで成り立っているものじゃないから、
くだらんことしゃべってても
気持ちが通じるってこともあると思う。
でも楽しいトークができないのも個性のうちだからね、
まじめな話のできる相手、気の合う相手を
探すことも必要でしょう。
う~ん。最後の3行がいいですね。そのとおりだ、と私も思います。
質問11
「大人」になるということは、
どういうことなんでしょう。
谷川さんの「大人」を教えてください。
(コモモ 17歳)
谷川さんの答
自分のうちにひそんでいる子どもを怖れずに自覚して、
いつでもそこからエネルギーを汲み取れるようになれば
大人になれるんじゃないかな。
最低限の大人のルールは守らなきゃいけないけど、
ときにそのルールからはずれることができるのも、
大人の証拠。
この答にも参りました! 「大人」は、自分の中の子どもの部分を自覚して、そこからエネルギーを汲み取れる人か! 確かに、へんに大人ぶってる「大人」より、そういう「大人」には魅力的な人が多いんですよネ。
質問13
彼女の機嫌を直すには、
何がいちばん効果的ですか?
(まる 二十歳)
こんな甘ったれた質問に対しては、あえて突き放すこともある。「何か具体的な方法で謝罪の気持ちを伝える方がいい」と言って、「針金やビーズでアクセサリーを自作して贈る」とか「毎朝彼女の部屋のドアの前に自分で摘んできた野花を置く」とか、「具体的な方法」をいくつか教えてくれたあとで、最後には、「いくらでもアイディアあるだろ、あとは自分で考えろ、自分で!」。…ハハハ!
ほかにも紹介したい問答はいくらでもあるのですが、それは本を読んで確かめてもらうとして、とにかく、もし同じ質問を誰かにされても、絶対こんなふうには答えられないだろうと思うような回答ばかりなのです。谷川俊太郎が、質問者の悩み(?)に対して、自分のこれまでの生き方、今の暮らし方をきちんと踏まえた上で、そこから生まれてくる自分の感性に忠実に、もちろん、言葉を注意深く選んで答えてくれている。何より、答の文章そのものが、それぞれにちゃんと「谷川俊太郎の詩」になっているところがさすがだなあと思いました。
最後に一つだけ。ある質問の答に、こんな文章がありました。
ぼくだったらどんなことがあっても、
一生その人を裏切るような行動をしない、
そんな伝え方をするかもしれない。
…心に深く刻み込まれました。
『谷川俊太郎の質問箱』≫Amazon.co.jp
子どもたちからの質問は紹介できませんでしたが、はっとさせられる答えがいくつもありました。
谷川俊太郎は、詩人になるべくして生まれてきた人だと思います。しかも、コトバを通して人生観も示してくれますから、すごい人ですよね。
お子さんはやっぱり科学者の方がいいと思いますが、夢をふくらませられるのはすばらしいことですね!
木を植えるって、いいですね。
目先ではなくて、ずっっと将来のことを意識した行為。私たちは子どもたちに対して、つい目先のことだけを見て接してしまいがちですが、時にはそういう視点も大切なことですね。
雨の中お疲れ様でした。