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やっぴBLOG

「とば口」にいる君たちへ─「カタリバ」リハーサル終了。

2009-06-06 | └キャリア教育
「高大連携キャリア形成推進事業」の今年度の「カタリバ」がいよいよ来週末から始まります。今年は、県内12校で「カタリバ」が、また、カタリバの次のステップである「アシノコ」のワークショップが4校で実施される予定です。

「カタリバ」は、前にも紹介したことがありますが、大学生が高校に行って、自分の体験談や夢を語ることによって、高校生の中にある「本気」を引き出し、自分の将来を描くこと、そしてそれに向かう意欲を喚起しようという取組です。

今日は、来週からの本番に向けて、これまで研修を受けてきた大学生たちが集まって手順の確認とリハーサルが行われました。雨の中、30名近くの学生が集まってくれました。

進行を務めるのは、昨年度から何度も参加している「ベテラン」の学生数名。今回初めて「カタリバ」に参加する学生も来ているので、簡単なアイスブレークのあと、基本的な流れの説明からスタート。本番では高校生を数人ずつのグループに分けて実施するのですが、今日も学生を本番通りに配置して、各グループごとの入念な打ち合わせも行われました。

中盤には、実際に「カタリ」を行う学生のうち、5人が実際にプレゼンテーションして見せてくれました。「カタリ」というのは、自分の高校時代のこと、勉強や部活動のこと、大学生活のこと、抱いている将来の夢などを、それぞれ10分ほどのストーリーに仕立てて高校生に語るものです。キーワードや絵、イラストなどを描いたスケッチブックを紙芝居風に見せながらのプレゼンテーションになります。語り手はそれぞれ、自分の語る内容を3つのキーワードで高校生に示し、高校生は自分が一番興味のある語り手を選んで聴きます。今日も、語り手以外の学生が5人の中から聴きたい人を選んで同時進行で「カタリ」が行われました。

もう何度も「カタリ」をやっているメンバーなので、それなりのコツをつかんでいる語り手ばかりだということを差し引いても、学生たちの様々な「カタリ」には、いつ何度聞いても、ものすごく感動させられます。できれば同時進行でなく、全員の「カタリ」をじっくり聴きたいくらいです。塾のバイト経験から生まれた起業への夢、自分の体験したAO入試の顛末、高校時代の部活動(剣道部や陸上部)から学んだこと、ロシアへの憧れから始まった社会的起業の志など、自分の体験や夢を後輩たちに伝えたいという思いがひしひしと伝わってくる。その思いは、確実に高校生たちに届いています。

そして、こうして「自分」をプレゼンテーションすることは、学生たちにとってもとてもいい経験になっているはずです。

彼らを見ていると、自分の大学時代を思い起こさずにはいられません。自分も、こんなふうにまっすぐに物事を考えられていた頃があったんだ。将来が果てしのない可能性に満ちていて、やろうと思えば何だってできそうな自信に満ちあふれていた。今やくたびれたおじさんになってみると、そういうことがなんだか妙に甘酸っぱく思い出されます。

だけど、くたびれてはいるけれど、君たちにはまだまだ伝えておきたいことがたくさんあるんだよと、生き生きした学生たちを見て感じました。テレビドラマ「ふぞろいの林檎たちⅡ」に出てきた「相馬課長」(室田日出男)のように、「おまえたちはまだとば口にいるんだ」と吐き捨てることはしませんが、「とば口」で真剣に悩んだり苦しんだり考えたりすることがいかに大事か、そのことを伝えることは、くたびれたおじさんの最低限の役割ではないかと思ったりします。

それはともかく、今年も、「カタリバ」ではまたいろんなドラマが期待できそうですね。

 

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