カクレマショウ

やっぴBLOG

ケース・スタディは大事。

2010-11-01 | ■教育
大学院の授業で、「研究方法論」というコマを取っているのですが、その1回目の授業が先日ありました。

テキストはロバート・K.インの『ケース・スタディの方法[第2版]』。ところが、これがいたって読みにくい本で…。訳し方もあるのだろうけど、意味の分からない用語が次々と出てくる。そのたびに、意味を一つ一つ調べて、しかし、言葉の意味が分かっても、今度は文章全体の意味がつかめなかったり。

各章末に「練習」問題が載っていて、予習としてやっていかなければならないのですが、半ばお手上げという感じでした。授業を受けて、ようやくそういう意味だったのか!とおぼろげに合点がいきましたが。

ただ、この本は、「研究」を進める上で、様々な「戦略」があって、目的に応じてそれらを使い分けなくてはならないことを教えてくれるということは理解できます。ケース・スタディ(事例研究)はもちろんその中の一つなのですが、ケース・スタディが適しているのは、「なぜ」とか「どのように」ということを追究するときに有効、らしい。

「事例研究」と「事例発表」は全然違いますね。シンポジウムやフォーラムなどでよく聞くのは「事例発表」なのですが、いろんな具体的な事例を当事者から直接話してもらうことは、確かに「思い」とか「熱意」が伝わってくるので、とても意味があると思います。

ただ、「事例」はあくまで「事例」なので、そっくりそのまま「やり方」だけを真似してもうまくいかない。もしかしたら、「その人」がいたから成功したのかもしれないし、地域性も環境も異なるのだから。

私は、「事例」をいかに「普遍化」、「一般化」するかが大切だと思っています。ある取組(成功事例)のエキス、というか、「こうすればうまくいった」という部分を抜き出して、他の地域でも、誰がやってもうまくいくようなノウハウを見せること。これこそが「事例研究」だろうと。せっかく良い事例を紹介するなら、ただ受け流すのではなく、やはりそれを材料にしていかに「研究」するか、です。研修などで「事例発表」をプログラムに入れ込むなら、そこまでやらなきゃ…と思っています。

この本でいうところの「ケース・スタディ」も、そこをベースとしています。「ケース」を普遍化することが大切。そして、そのためのアプローチの仕方についても。そのあたりはずいぶん勉強になります。(というか、「勉強になりそう」です。)

1回目の授業を受けて、先生からの解説を聞いて、だんだん分からなかったことが分かっていく。すごい快感。「研究」をしていくため、「論文」を書いていくために、まだまだ知らないことが多すぎます。もっと、とことん、考えなくては。


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