カクレマショウ

やっぴBLOG

『天使と悪魔』その7─イルミナティとフリーメイソン(2)

2006-08-27 | └『ダヴィンチ・コード』・『天使と悪魔』
ちょっとあいだがあいてしまいましたが、先日のイルミナティ→フリーメイソンつながりで、今日は米国とフリーメイソンの関係について記します。

米国の1ドル紙幣の裏側を見ると、右側にアメリカの国璽(国家を表す印章)であるアメリカワシ、そして左側には、未完成っぽいピラミッドと、頂上に当たる三角形の部分に一つの目というちょっと奇妙な図柄が描かれています。

この目は、「プロヴィデンスの目」(Eye of Providence)、「万物を見る眼」と呼ばれていて、実はこれはフリーメイソンの重要な象徴ともなっているのです。

これらの2つの図柄には、「13」という数字が巧みに忍び込ませてあります。この数字は言うまでもなく、独立当初の13植民地を指します。たとえばアメリカワシの図柄では、

・ワシの頭上に輝く星の数
・ワシが左足につかんでいる矢の数(※矢は戦争の象徴)
・ワシが右足につかんでいるオリーブの葉及び実の数(※オリーブは平和の象徴)
・盾の赤と白の線の数(※青の線は連邦議会を表します)
・ワシが加えているリボンに書かれている"E Pluribus Unum"(ラテン語で多から一)の文字数



また「プロヴィデンスの目」では、

・ピラミッドの段数
・上部に書かれている"Annuit Coeptis"(ラテン語で「神はわれらの企てにくみしたまえり)の文字数
・下部のリボンに書かれている"Novus Ordo Seclorm"(ラテン語で「時代の新秩序」)の文字数



これらは全部「13」になっていますね。ちょっとコダワリ過ぎと思うくらい「13」のオンパレードです。

「目」の下にあるピラミッドですが、フリーメイソンのルーツが石工だったとすれば、彼らの理想的な建築物はピラミッドだったのだろうという説明も成り立ちます。それは、フリーメイソン的に言えば、生涯を通じて築き上げるべき聖なる神殿であるという見方もできます。

ちなみに、ピラミッド最下段のローマ数字"MDCCLXXVI"は、米国独立宣言が出された「1776年」を意味しますが、実は同じ年に、ドイツでイルミナティが設立されているのです。独立宣言が発表された7月4日の約2ヶ月前、5月1日のことです。イルミナティとフリーメイソンとの関わりを説く人たちにとっては、1776年は、そっちの意味で大切な年だと言えるようです。

「プロヴィデンスの目」は、フリーメイソンにとってどんな意味を象徴しているのでしょうか。フリーメイソンが好んで使う図柄に「コンパス」と「G」という文字もあります。「G」とは「God」(神)ではなく、"Great Architect of the Universe"つまり「宇宙の偉大な建築者」の頭文字です。特定の神を信仰するものでないメイソンの思想を表しています。「プロヴィデンスの目」は、この「宇宙の偉大な建築者」の「目」なのです。宇宙全体を見通す普遍の目。

当たり前のことですが、一般に、宗教を信ずる人は、その宗教が信奉する神しか信じません。自分たちの神以外の存在は認めようとしないのです。キリスト教徒の信ずる「神」はイスラム教徒が「アッラー」と呼ぶ神とはチガウのです(もともとは同じ神だったはずですが)。しかし、フリーメイソンの考える「神」はそんな狭小な考えとは一線を画しています。だからこそ、フリーメイソンは厳格な宗教者にとっては得体のしれない存在だったのです。カトリックも表向きはフリーメイソンを認めていませんし(実はカトリック系のフリーメイソンは多いらしいですが)、フリーメイソンを「陰謀」に関わる「秘密結社」と見る向きは、どうもこんな宗教観に起因するのではないかと思っています。

米国史を代表するフリーメイソンと言えば、米国独立に陰ながら大きな功績を残したベンジャミン・フランクリンを挙げる人が多いのではないでしょうか。彼は避雷針を発明した科学者としても知られていますが、そのあたりにもフリーメイソンっぽさが見えます。フランクリンは、英国から独立を勝ち取るために、英国のライバル、フランスの支持を取り付けるのに奔走するのですが、その時にフリーメイソンの人脈を巧みに利用しています。

また、初代大統領となるジョージ・ワシントンもまたフリーメイソンでした。米国を代表する建築物にもフリーメイソンが色濃く関わっています。ホワイトハウスの設計者も、自由の女神やワシントン記念塔の制作者もみんなフリーメイソンです。ワシントン記念塔は、エジプトのオベリスクの形をしています(高さ166m)が、これもまたエジプトと密接なつながりのあるフリーメイソンらしいと言えます。

米国の国璽は、ベンジャミン・フランクリン、トーマス・ジェファーソン(独立宣言起草者)、ジョン・アダムス(第2代大統領)の3人が作ったものですが、それが1ドル紙幣の裏側にデザインされるようになったのは1935年が最初だと言われています。

米国という国を、文字通り作りあげてきたフリーメイソン精神は、果たして今も生きていると言えるのでしょうか?

 

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (NYHN)
2006-08-28 19:54:03
 はじめまして、青森在住の20代半ばの男です。現在私自身がとても興味のある内容でしたので、ついついコメント致しました。こういう、学校教育では触れられない、自分で疑問を持ち、研究していくのが大好きです。今後ともよろしくお願いいたします。もしよければ、私のブログにも遊びに来てくださいね。
返信する
Unknown (やっぴ)
2006-08-31 00:35:11
NYHNさんコメントありがとうございました。



十三にまつわる不思議、興味ありますね。私も「外三郡誌」のことを調べたことがありましたよ。



またお立ち寄りいただければうれしいです。
返信する
「天使と悪魔」のイルミナティ: イルミナティの真実より (服部 順治)
2009-05-16 20:57:59
9.11の裏の実行犯はイルミナティに操られていた元副大統領のディック・チェイニーだとNGOの制作した「時代の精神」の映画でも暗に指摘し、
さらにそのカーテンの裏に潜んで導いたのは、イルミナティにシンボライズされた国際銀行家(いわゆる国際財閥)だと指摘しています。
 そういう関係もあって、そのイルミナティに関して、どのぐらい書かれているか調べるつもりで「天使と悪魔」を読んでいたのですが、ついストーリーの面白さにひきこまれて、この5月の連休中、会社の仕事の合間に読み終わりました。うーん、本の帯の宣伝どおり『ダ・ヴィンチ・コード』より面白かった(^_^;))


 また『ダ・ヴィンチ・コード』の映画と同じく、下記の小説を読んでいかないと、特に字幕版では、ストーリーを追うだけで精一杯でよくわからないままおわるのでは?

さて「天使と悪魔」のキーパーソンはどうやらスターウォーズのジェダイマスター、オビワンか?(^_^;) 
ホント、最後まで息を抜けなかった。
私の場合、上巻、中巻を読んで推理していた犯人は完全にハズしていました。多分、あなたも・・・・ (^_^;))

 さて以前からディックチェイニー元副大統領が9.11テロの裏の実行犯の主役である、と言われていました。 2008年12月19日の朝日新聞でも「策士」としてブッシュ元大統領を操っていたことを紹介し、さらにこのサイトではブッシュ元大統領とディックチェイニー元副大統領の驚くべき私生活も暴露されています

 「時代の精神 続編」の映画では実際に犯罪を関わったエコノミック・ヒットマンの証言があります: 9.11テロの裏の犯人たちの他国への侵略方法
これを見るとリアルに彼らのやり口と9.11テロを裏で仕組んだのはチェイニーアメリカ副大統領だとわかってきますよ (^_^;)

「時代の精神 続編」のここでは9.11テロリストを捏造していかざるを得なかったアメリカのグローバリズムの真実が暴露されています

最近では以下の問題も表面化

新型インフル(豚インフル)の発生源とその根本問題はこれ:国際銀行家(イルミナティ?)が隠していた問題が表面化

「時代の精神」【Part3】ではカーテンの後ろの人々-彼らの崇拝するお金を使って9.11テロやその他戦争などに導いた国際銀行家(国際財閥)のことが暴かれています:10/15

「時代の精神」【Part1】では支配のツールとしての宗教の虚構を科学的に暴いています:バチカンの真実 1/15

なお注意してほしいのは、(イルミナティより)

●「イルミナティ」という名称は、「神や人間についての内的な啓示」という意味を持つ言葉として、古くから多くの宗派に用いられてきたものである。このことからも、18世紀にバヴァリア・イルミナティを創設したアダム・ヴァイスハウプトがイルミナティの教義の“始祖”ではないことは明らかであり、彼は古代ギリシアやエジプトの神秘主義的哲学を研究する中で、ただそれを復活させただけであったといえる。

また、イルミナティのキーワードは「知」であるが、この、いわば「知の熱」「知の炎」ともいうべきものを執拗に追い求めたのは、古代において、プラトンであり、ピタゴラスだった。あるいはまた、グノーシスに属する神秘家、哲学者だった。グノーシスというセクト名が、何よりも雄弁にこのことを物語っている。グノーシスとは「知識」という意味である。そして、『旧約聖書』に見られるとおり、「知識」はキリスト教から一貫して「悪徳」とみられ、イブをそそのかした悪魔の化身の蛇と見なされて、迫害され続けてきた。

●イルミナティは、いつの時代にも存在した。

 反イルミナティの熱心なプロパガンディストが、イルミナティの起源をエジプト神秘学に、グノーシスに、あるいは新プラトニズムに求めるとき、彼らはある意味で本質をついていた。プラトンが“愛知者”であったように、バヴァリア・イルミナティのヴァイスハウプトが知の探究者であったように、ブッディストが“般若=智恵”を求め、グノーシスが“神の知識”を求めたように、イルミナティは、常に「知」とともにあったからである。

そして現在、イルミナティは少なくとも2つのグループが存在しているということ。

すなわち、純粋な知の探究者であり哲学者でもある「ホワイト・イルミナティ」と絶対的な価値をお金に求め、現世の欲望を満たすため、他人の権利や生命までも踏みにじり、知を自我の欲望を満たすためだけに利用する「ブラック・イルミナティ」 がいる、ということです。


1830年、臨終の枕に集まった弟子たちに、バヴァリア・イルミナティの創設者アダム・ヴァイスハウプトはため息まじりにこう語っていた。

「我々の理想を歪め、世間に悪評をばらまき、世のあらゆる陰謀をイルミナティになすりつけようとする黒魔術団がある。注意するのだ……闇のイルミナティに!」

なお詳細な説明は私のURLで (^_^;)
http://nvc.halsnet.com/jhattori/Zeitgeist/Illuminati.htm
返信する
Unknown (みく)
2016-10-12 22:46:43
こんにちは、あの難しい話がとてもわかりやすくまとまっていて、驚きました。
フリーメイソン自体は確かに米建国の自由、発展繁栄の精神になっていました。これはヘルメス思想が基になっている組織でした。このヘルメス思想が、清貧だけの思想であるキリスト教国の底流を流れ、爆発的に西洋文明を発展へ導いたと言われています。ダ・ヴィンチしかりニュートンしかり・・。
しかし、アメリカ建国からしばらくして、フリーメイソンはいつの間にか残虐で狡猾なイルミナティという悪の組織に乗っ取られたと言う訳です。
もう米建国の礎となったフリーメイソンは影も形も存在しません。
アメリカも今後衰退が予想されます。
そのためこれから世界が混乱しますが(まぁ今ほぼそうですが)それを最小限に抑えられるかは、実はこの日本にかかっています。
返信する

コメントを投稿