かつて、立花隆の臨死体験のシリーズには驚かされたものでした。あれから20年か…! 何も変わっていないようで、実は臨死体験の科学的研究は確実に進んでいたようですね。NHKスペシャル「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」を見てよくわかりました。
人が死ぬ時、いったい、「心」はどうなるのか。正直言って、科学で解明しきれない部分もあるんじゃなかろうかと思うのですが、そこは立花隆さん、相変わらずの鋭い切り口。今回は、脳と「心」、「意識」を関係付けながら、臨死の際の「神秘体験」を解き明かしていく。
臨死体験をした人の多くが語る、この上ない幸福感に包まれるという神秘的な体験。それは、「辺縁系」によるものだと言います。死に際して、「目覚めることと夢と見ることを同時に命令する」ことで、人間は神秘体験をする。辺縁系は、人間の脳の中で最も古くからある部分だと言う。つまり、神秘体験は人間の本能に近い現象なのだとか。言い換えれば、脳は、神秘体験をするようにできている…。わ、すごい。
でも、ある科学者はこうも言ってました。神秘体験で何を体験するかはその人の「信念」の問題だと。やっぱり科学だけでは解明できない世界なのかも(・_・;
それにしても、人間の脳の中で、感情や感覚など100兆もの神経が複雑につながって「意識」を作り出しているという米国の研究成果には驚きました。ななんと、数式にも表せるんだとか! ただ、さすがに立花さんも、その仕組みをすべて明らかにするのは不可能だと言ってましたね。まったく、ある意味では宇宙より複雑で不可解なのが、私たち人間の脳、なんですね。
生まれてから毎朝繰り返してきた目覚めることと、毎晩繰り返してきた夢をみること。
それを最期に同時に行う。
臨死体験の内容は、人それぞれのようですが、できれば幸福感に包まれながら・・・、がいいですね。