カクレマショウ

やっぴBLOG

おかえり、はやぶさ。

2010-06-13 | ■環境/科学
小惑星探査機「はやぶさ」がつい先ほど、無事帰還しました。

「はやぶさ」…といえば、今年12月に全線開業する東北新幹線の新車両の愛称に決定したのもこの名前。私が推した、津軽弁の愛称はあえなく却下されちゃいましたね…トホホ。

ま、そんなことはともかく、こっちのはやぶさ君、60億kmという超長旅、お疲れ様でした! 2003年5月に打ち上げられてから、7年ぶりですね。2005年11月、地球から3億kmも離れた小惑星「イトカワ」に着陸した時は、興奮しましたよ。当時予定されていた砂の採取は装置が正常に作動せず、失敗してしまいましたが、着陸の際に舞い上がった砂煙が、カプセル内に入った可能性があるとのこと。今回戻ってきたのは、その「おみやげ」を届けるためですね

ところが、その後もトラブル続きで、「イトカワ」離陸後に燃料漏れで制御不能になり、通信も完全に途絶。もう帰還は絶望視されたこともありましたね。しかしJAXA(宇宙航空研究開発機構)の必死の努力の甲斐あって、奇跡的に復旧、予定より3年遅れの帰還となりました。ほんとに、よく帰ってこられたものだと、日本の宇宙開発の技術力には敬服ですね。なにしろ、月以外の天体に着陸した探査機が、地球に帰還するのは世界でも初めてですから!

記念すべき、今夜の帰還の様子を生中継してくれるテレビ局はなく(サッカーのワールドカップの方が大事らしい)、和歌山大学のネット中継(Ustream)をずっと見ていたのですが、真暗い夜空は、星なんだかモニター上の埃なんだか区別がつかないほどの粗い映像。音声も途切れがちで、せっかくの解説もよく分からない。「0.5等星」くらいの明るさで見えるらしいというのは何とか聞き取れました。リハーサル映像のBGMに、はやぶさのために作られた(!)「はやぶさの子守歌」というスローな曲がずっと流れていました。なかなかすてきな曲でした。

はやぶさが大気圏に突入したのは、22時50分過ぎのことでした。「来た来た!」という興奮した声ととともに、画面の下の方にひときわ明るい「点」が…。コマ送りみたいにその光が2秒ほど見えて、あとは…「すごいすごい!」という女性の声を残して、映像は固まってしまいました。しばらくして、「いやあ、すごかったなあ」という感嘆の声…。ほにゃ~。

あとで、改めてちゃんとした動画を見てみました。一瞬、あたりがパッと明るくなるほど光っていたのですね。何か、「神々しさ」さえ感じられました。画面を通してもそう思ったのですから、現地であの光景を見られた人が本当にうらやましい。

だけど、すぐに燃え尽きてしまったはやぶさ君。彼が持ち帰った耐熱タイルで守られたカプセルは大気圏突入前に切り離され、パラシュートでオーストラリアのウーメラ付近の砂漠のどこかに落下しているらしい。明日、探索が行われ、カプセルはチャーター機で日本に届けられるということです。カプセルは中華鍋のような形をしていて、直径は40cm、高さ20cmという小ささなのだそうです。それを見つけるのも大変そうですけどね。

昨年のちょうど今頃、月に落下してその役目を終えた月周回衛星「かぐや」に比べたら、こうやってみんなに見守られながら地球に戻ってこられたあなたは幸せ者だ。きっと、カプセルの中には、あなたが遠い宇宙の彼方から運んできてくれた「おみやげ」が入っていることでしょう。それは、きっと、太陽系の成り立ちを探る上で、貴重な試料になるに違いありません。

おかえり! そして、ありがとう、はやぶさ君。


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5 コメント

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はやぶさには縁があります (ナイルの風)
2010-06-14 18:14:23
忙しい毎日に今回の様な「おかえりはやぶさ君」の記事はいいですね。遠い宇宙から地球に戻ってきた探査機への思いも巡らせることができました。個人的にも「はやぶさ」は大好きな名前です。古代エジプトでは「ホルス神」として大切にされていますし,現代のエジプトでも「エジプト航空」のマークに使われています。遠い古代と,遠い宇宙と現在の青森とエジプトをつなぐ「はやぶさ」よ時空を超えて羽ばたけ!
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Unknown (やっぴ)
2010-06-15 00:19:18
今朝の新聞各紙とも、ほとんど「はやぶさ君」を人間みたいに扱っているのが面白かったです。

はやぶさは、ホルスですね!エジプト航空のマークもホルスだったとは気がつきませんでした。ありがとうございます!さすがですね。
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Unknown (ミジンコ)
2010-06-19 22:28:43
お久しぶりです^^
私も和歌山大のライブを見ていました!
まさにやっぴさんが書かれてるのと同じ状況でした。ここで固まるなよぉ~(泣)みたいな^^;
あとでちゃんとした動画を観て「こんなにはっきり見えたんだ~!」ってビックリそして感動!
はやぶさが撮ったラストショットも素晴らしく美しかったですね!最後にはやぶさに地球を見せたいと願ったJAXAの皆さんのやさしい想いにも感動・・。
相模原に帰って来たカプセルを「新生児みたい」と言った川口教授(弘前のご出身なんですね!)がすごくめんこく見えました(笑
無生物を擬人化するのは日本人の特徴ってよく聞きますが、はやぶさに関しては中国の方もヨーロッパの方もそんな感じだったらしくて、これも日本アニメの影響なのかな~と思ったりしました^^
イカロスも楽しみですね!
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イカロス (やっぴ)
2010-06-20 02:22:45
ミジンコさん
お久しぶりです。

はやぶさを擬人化しているのは日本人だけじゃなかったって、そうだったんですか!
面白いですねー。

あのセンスのいい川口さんが弘前出身と聞いて、私もすごくうれしい気持ちでした。センスの良さと言えば、イカロスというネーミングもなかなかいいセンスしてますよね。
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Unknown (センザキ)
2011-03-10 09:09:55
ホントに、いろんな番組で扱われてネットでもさまざまに取り上げられましたね。で、結局どうなったんでしたっけネ。
いつもカプセルを開ける時に、「ハクション」と掛け声をかけてしまいます。何だか、笑っちゃうんだよねえ。いや、もちろん帰って来てくれてよかったとは思っているけどサ。
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