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カクレマショウ

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「キッザニア」への挑戦(!?)

2006-10-07 | └キャリア教育
子どものための職業体験型テーマパーク「キッザニア東京」がこの10月5日、東京・豊洲にオープンしました。テレビや新聞でもオープンの様子が華々しく報道されていました。子どもたちが、エンジニア、医師、警察官、消防士、新聞記者など「70種類以上」の仕事を体験できるテーマパークです。

もちろん、これは日本オリジナルのものではなく、モデルは意外なことにメキシコだそうで。米国でないのがおもしろい。というか不思議。メキシコのキッザニアのことも、以前テレビで見たことがありますが、かの地では大成功を収めているようです。「大成功」というのは、あくまでも入場者数や社会から認知度という側面からのものであって、メキシコの子どもたちがキッザニアの体験を大人になって仕事選びに生かすことができた!という意味ではもちろんありません。メキシコでもオープンしたのは1999年のことらしいですから、「将来の仕事選び」に生かせたかどうかというのはこれからの検証事項と期待しています。

さて、日本でも、多くの一流企業がスポンサーとして名を連ね、仕事体験パビリオンを主催しています(たとえば、朝日新聞は新聞記者、三井住友銀行が銀行員、NTTドコモが携帯電話ショップ、JTBがトラベルセンターなど)。子どもたちは、それぞれのパビリオンで、実際の仕事を模擬的に体験できるという仕組みです。使われるのは、実際の大きさの2/3の大きさの道具や制服。給料だって、ちゃんと支払われるのだとか。ただし「キッゾ」という単位のおもちゃ紙幣ですが。キャッシュカードで貯めたお金を引き出すこともできるんです…。

キッザニア東京のサイトには、こんなことが書かれてありました。

「こどもたちは遊びを通して、さまざまなことを学びます。キッザニアは、仕事体験をベースとした社会学習の場といえるでしょう。つまり、こどもたちは遊びの中から社会のルールやマナー、経済のしくみ、将来の可能性を学んでいくことができるのです。」

このテーマパークを運営する会社は、エデュケーションとエンターテインメントの合成語である「エデュテインメント」を目指すことを標榜しています。確かに子どもたちに仕事や経済のしくみを学ばせる導入としては、この種のテーマパークがうってつけなのかもしれません。

で、同サイトでは次にこんなふうにも書いてあります。

「こどもたちは様々な仕事の社会的役割を理解したり、働くことの楽しさ、厳しさを学んだり、自立性や社会性、金銭感覚を養ったりすることができます。お父さん、お母さんは、キッザニアでの一日を通じて、お子さまの楽しむ笑顔と思いがけない成長に目を見張ることでしょう。」

…う、う~ん。「キッザニアの一日」だけで、果たしてそこまで言えるのでしょうか?

キッザニアでは、大人(親)の出番はありません。あくまでも子どもたちだけで仕事を体験する、というのがポリシー。「こどもの自立性を高めるため」なのだとか。親は体験中は「口出し」しないで見ているしかできません。ところで、キッザニアに子どもを連れて行く親は、自分の仕事について子どもたちにちゃんと話をしたり、体験させたりしているのでしょうか?親がまず自分の仕事について子どもに語った上で、こういう楽しい仕事体験をさせるのが順序だと思います。

青森県には、こんなテーマパークはとてもできそうもありません。でも、別の方法で子どもたちにきちんとした仕事意識や経済感覚を身につけた社会人になることを考えていきたいものです。イベント的な体験だけでなく、また、親も「普通の大人」(=自分の仕事に誇りを持っている大人)も、しっかり子どもたちに関わっていけるような形で。
  
 

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