9月21日、国立まつもと医療センター総合診療科初診。
この日の総合診療科担当医は、紹介状宛先の肝臓内科診療部長。
私一人で診察室に入室したが、「ご家族は?」とのことで主人と治療についての説明を伺う。
私の場合、既に肺に転移しているので手術他の外科的治療は出来ず、抗がん剤のみの治療方法しかないとのこと。
「抗がん剤治療が始まり、もし副作用で具合が悪くなり救急車で病院へというようなときに、エリアが違うのでここまで来てもらえないという問題もあります。薬のためだけに茅野からここまで通うのは大変。手術となればここでやりますが、薬ならどこで治療しても同じなので通うのに便利な諏訪日赤の方が良いと思います。癌基幹病院ですから、肝臓の専門医もいるはずです」
「その大変な薬での治療というのは、どのくらい続くのですか?」
「半年から1年のところを薬でどのくらい伸ばせるかということです」
「遺書を書いておく必要がありますか?」
「そうですね。そういうことも含めて色々考えておく必要はあります」
と話しながらパソコンで調べてくださった。
「諏訪日赤にも肝臓専門医がいます。私の後輩(医大の)です。紹介状元の諏訪中央病院へ連絡しますから、そちらから日赤への紹介状を書いてもらってください」
「中央病院の主治医がこちらをご紹介くださったのではなく、私がネットで色々調べてこちらの病院への紹介状をお願いしました。今までそうした連絡で空白の時間が沢山ありました。諏訪日赤への紹介状はこちらから直接お書きいただくわけにはいきませんか?1ヶ所分時間の節約になります」
「判りました」と目の前で「当院をホームページで知り、・・・」と入力内容を見せながら「うちを選んでくれたのはうれしいけれども、こういう内容で紹介状を書きましたから、これを日赤へ持って行ってください。中央病院へは、こちらから連絡しておきます」と、予約係の方に引き継ぎ。
なんと予約日は、翌日。今までこんなことは一度もなかった。その都度、1週間とか2週間の無駄な空白の時間があった。
癌になり、始めて医師らしい医師にあったという感じの医師だった。
翌朝、諏訪日赤へ。
「まつもと医療センターでは、薬についての説明はありましたか?」
「副作用が強い薬とのことでした」
医師の手元には、薬の名前が数種書かれた紙がある。
そうか、まつもと医療センターで渡された封筒が見せていただいた紹介状1枚入っただけにしては、ずいぶん厚いなあと思っていましたが、後輩の医師ということで薬なども細かく書いて申し送りしてくださったのかもしれません。
「2週間入院し、処方薬があうか診ます。次回は、大腸検査をした後、入院の説明などしますのでご主人と来てください」ということで帰宅。
9月27日、大腸内視鏡検査受診。異常なし。
主人と今後の治療についての説明を受け、「では、明日、入院ということで、ご都合はいかがですか?」
「判りました。よろしくお願いいたします」
なんだか、病院を替えてからは、えらく進み方が早い。
9月28日、諏訪日赤入院。血液検査。
9月29日、抗がん剤「テセントリク(1200mg/回)、アバスチン(750mg/回)」点滴。
「テセントリク(←クリック)」は、今年、保険適用になったばかりの薬。
保険がきかなければ、年間3,000万円かかるお薬だそうです。
ようやく「肝細胞癌(←クリック)」の治療が始りました。
入院する頃から、秋の味覚「落葉松ジゴボウ」の収穫が始まった。