さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】獣医ドリトル(4)

2012-11-11 23:14:59 | 読書録
[作]夏 緑 [画]ちくやまきよし 小学館

獣医ドリトル4巻目。ガーっと読んでしまいたいけど、知性をくすぐる話の宝庫なんで、1巻ずつ感想を書いていこうと思う。

4巻目で一番心に残った話は伝書鳩の話だ。伝書鳩なんていう単語を見るのも聞くのも本当に久しぶり。私が小学生低学年の頃、子供同士の会話で「伝書鳩」というのが一度だけ登場したことがある。何故それを覚えているかというと、私自身が「何それ?」と思ったからなのであるが。。。

伝書鳩というと、何か秘密の通信というか、スパイが使うもの・・・みたいなイメージを持っていたが、報道用(主に新聞社や通信社)の通信手段としても、昭和30年代ごろまで広く使われていたんだね。

新聞社の通信が電波に移り変わるのが昭和30年代だが、それまでは新聞記者はスクープを運ぶために伝書鳩を利用してたんだね。

どんな鳩を使うのかと思ったら、ドバト(カワラバト)と言われる種類だとか。サイト検索で調べてみたら、これって普通に駅前とか公園とかにいる鳩じゃないか・・・灰色で、首のあたりが緑色になっている普通の鳩である。実際にはカワラバトと呼ばれ鳩を飼いならして伝書鳩やレース用の鳩が作られ、それが野生化したものをドバトというんだそうな。新聞社の屋上などで飼われていた伝書鳩が野生化したものの子孫は、かつて新聞社がたくさんあった地域の公園などで今も堂々と生きていたりするらしい。

わたしは小学生の頃、友人の口から「伝書鳩」のことを聞いた時、そんな高等なことができる鳩ならてっきり白くてきれいな鳩だろうと思い込んでいたが、実際には猛烈にありふれた外観であったことで、ちょっとしたショックを覚えている。

さて、その伝書鳩だが、意外に脱落する鳩は多いらしい。今では伝書鳩として使われることは稀になり、鳩レース用のレース鳩として品種改良や訓練などが行われているそうだが、そうしたレース鳩は4割が迷子になったり、死んだり野良になったりするそうだ。鳩は長距離の移動に地磁気を利用していると考えられているが、レース中に磁気嵐などが起こると、数千羽近くが全滅してしまうこともあるそうな。鳩レースにおける鳩の帰還率は年々減ってるそうで、この獣医ドリトルには4割迷子と書いてあったが、現在のイギリスでは帰還率自体が5割を切ってしまっているという。これじゃ通信手段としての利用はかなり限定的だな。せっかくのスクープをもった鳩も新聞社まで帰巣できないなら意味がないので、同じ文章を複数作って複数の伝書鳩に運ばせるんだろうが、昔は手書きだっただろうからめちゃくちゃ非効率だったろうな。

ということで、明日からは、道端の汚らしい鳩を見てもばかにせずに、「ご先祖様は優秀な伝書鳩だったかもね」と、敬意を表することにしよう。
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