中国の住宅・都市農村建設部（中国住建部）の董建国（ドン・ジエングオ）副部長（次官）が23日に、「上海市を含む22都市で、不動産定期検査、不動産年金、不動産保険制度の設立試行など、長期的な不動産の安全管理機構の構築を検討している」と発表した。不動産定期検査は政府が行うものとして、なんとなくわかるが、問題は不動産年金、不動産保険制度である。中国には固定資産税に当たる税は無いそうだが、中国人はこれまで、不動産価格が高騰などのために、必然的に、高額な住宅ローンや家賃に苦しめられてきた。だから、多くの人は瞬間的に、新たな税金が始まるのかと思い、批判も高まった。この批判に住建部はそうではないと否定したのだが、それでは財源はどこにあるのかという問いに、これまでの土地売却資金などと繰り返すだけだった。ところで不動産保険と言うのは火事や地震、台風などで建物に被害が生じた時につかわれるものだと解釈するのだが、近年に中国を各地を襲う大洪水にはたぶん、対処できないだろう。それよりも、不動産年金である。どのようになったら、一時金が支払われるのだろう。人間の年金でも、そのさじ加減が問題になるのに、少ない財源で、何年後かに起こる一斉老朽化に対処できるとは思えないのである。（くちなし亭、2024.08.29）
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