独裁国家というのは面倒くさいものだ。北朝鮮の北東部義州郡では、先日、大洪水が起こった。その支援を韓国なども申し入れたのだが、独裁国家のメンツか、そのことごとくを拒否したのである。ただ、唯一、支援物資がロシアから送られてきた。そして、被災者たちに配給されたのだが、当局がどこから支援されたものかを話す前に、被災者たちは、それがロシアから送られてきたものであることを知った。支援物資の入った袋にロシア語が書かれていたからである。それで、ある婦人が「プーチン万歳！」と口にしたところ、保衛部の職員が来て、連行していった。
ところで、この支援物資の中にはバターがあったのだという。北朝鮮の人たちは日常、バターなど口にできない。それで思わずその婦人も感激し、感謝を口にしたのだろう。
さて、北朝鮮のもう一つの隣国、中国はこの両国の蜜月を腹立たしく見ているようだ。中国国内で働く数十万人の北朝鮮労働者の帰国を促している。まあ、中国ではそれでなくても、失業者があふれている現状を少しでも改善したいという思惑もあるのだろう。（くちなし亭、2024.08.26）
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