私たちはパリオリンピックでのイスラエル選手団へのテロを心配していたのだが、イスラエルによるテロが中東で起こった。30日、イランの首都テヘランではマスード・ペゼシュキアン新大統領の就任宣誓式が行われていた。その式にはイスラム主義組織ハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ氏が必ず出席する。そのハニヤ氏の殺害がイスラエルによって行われたのである。ハマスにとっては大打撃であることは間違いないが、実質、ガザの戦闘で、先頭に立っているヤヒヤ・シンワル氏などは健在である。復讐心に燃え上がるのか、それとも消滅に向かうのかは分からない。一方、自国の大統領就任式をぶち壊されたイランはメンツがつぶされたことになる。新大統領が欧米に融和的とも言われているが、最高指導者ハメネイ師は31日、ハニヤ氏の殺害をイスラエルの仕業だとして、「イラン領内で殉教した彼の血に対する 復讐は、我々の義務である」とする声明を発表した。イランとイスラエル間の紛争は一時収まったように感じていたが、再び、きな臭くなってきたようである。しかも中東の復讐劇は時間がかかる。(くちなし亭、2024.08.01)
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