スペイン北東部ボルハの教会にある19世紀の画家エリアス・ガルシア・マルティネスの作品“いばらの冠をかぶったキリストの肖像”が地元の高齢な夫人によって、見事に修復された。ただ、その作品は修復というにはあまりに原画とかけ離れすぎたできばえだったために、世界中のマスコミが押し寄せる大騒動になってしまった。ただ、不謹慎かもしれにが、マスコミや教会関係者やマルティネス氏の末裔たちが真顔で、問題の悲惨さを語るたびに、多くの人たちは腹を抱えてわらってしまった。確かに、似てもに似つかぬものに仕上がっているのだが、これを仕上げていく段階での、このご高齢な画家の心境が想像されてしまうのである。ユーモア小説の主人公にされてしまう能天気な婦人の代表のようなお方を想像したのである。さすが、ドン・キ・ホーテのお国柄である。だから、誰も、彼女を責めることは出来ない。彼女自身も、多少落ちこんでいるとは言うものの「出来上がった作品を見て、誰も文句を言わなかったわ。」と反論する。でも、彼女のおかげで、このボルハの教会は大人気である。世界中から人が押し寄せる。これだけの人気を博した作品であるから、誰ももう一度、元に戻そうなどとは言わないだろう。ひさしぶりで笑える話題を提供してくれたのである。そして、この作品は原画を抑えて、スペインの巨匠ピカソに匹敵する作品になりつつあるのである。
Y-FP Office Japan
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