ハーモニカおじさんトリオが結成されたのは数年前に遡る。メンバーは75歳のハーモニカおじさんと年齢不詳のバイオリンおじさん(巷の噂ではもう90歳に近いのではないかと言われている。)そして、キーボードを担当する私の家内である。もちろん、私は私の家内の年齢を知っているが、対外的には彼女の年齢も不詳である。ただし、二人のおじさんに比べれば、社会的には高齢者に属する私の家内であっても、格段に若いので、それなりに遇してくれているようで、居心地はとても良いようだ。さて、このトリオの主な活躍の場は足立区の老人ホームである。対象となる曲の多くも、ハーモニカおじさん世代のもので、私の家内には、ちょっと古い曲たちだ。その曲たちが身体に染み付いているハーモニカおじさんや老人ホームの人たちにとっては、アレンジも自由きままなのだが、その曲を知らない私の家内は悪戦苦闘である。楽譜どおりに演奏して、良いのかどうかも迷うのである。それでも、彼女を温かく迎えてくれているのは、彼女のキーボードがどうしても、トリオの演奏に必要だからだ。巧みな演奏のハーモニカおじさんやバイオリンおじさんであっても、年には勝てない。息が続かない。息があがる。そんな時にキーボードの音が流れ続けていることが大事なのである。
Y-FP Office Japan
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