１９９５年を境にして、私たちの生活は大きく変わりました。それまでの時代ならば、多くのサラリーマンの皆様は給料も比較的安定していたし、リストラもありませんでしたし、年金も生活をする上では十分なものでありました。たとえ、健康を害しても、十分な治療や生活の保障もありましたし、仮に、ご主人が不慮の事故で亡くなられたとしても、遺族には手厚い労災補償や遺族厚生年金などが支給されたのです。しかし、しかしです。皆さん、１９９５年を境にして、風向きは大きく変化しました。最大の原因は国際経済の流動性が急速に進んだことにあります。東西冷戦が１９９１年末ソ連の崩壊で終焉し、それまではどの国もそれなりに固有の経済システムを堅持できていたのですが、それが出来なくなりました。日本も例外ではありません。中国も例外ではありません。各国の経済が、企業が国内だけを見ていては遅れを取る時代に突入したのです。企業は安い賃金を求めて、世界中に移動していきます。高い金利を求めて資本が流れていきます。政府の政策は未確定な国際基準に向かって動きまわり、税も施行錯誤を繰り返しながら、各国が平準化していきます。このような時代ですから私達はこれまでの家計簿の目線から一歩踏み出して、生涯の家計を考えるキャシュフロー表の目線で家計を見ていかなければならなくなりました。未来は確かに不確実ですが、だからといって、確実な未来までも放棄してしまうのはこの時代には絶対にしてはいけないことなのです。
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