フランスの定年延長問題。

フランスで、今、定年延長問題が持ち上がっている。他の欧州諸国がすでに65歳定年制に移行し、イギリスなどは68歳になろうとしているときに、この欧州の一国だけが60歳定年制を堅持している。なぜか、実は、この定年延長には年金の支給時期と密接に絡んでいる。例えば、19歳から働き始めた人が45年以上も払い続ける保険料は、受給する年金の額と見合わないという反対論が根強いのである。日本の場合には、もともと定年延長と年金支払い時期とがリンクしていないので、もっぱら、定年延長を政府が求め、企業側の抵抗にあっているというのが実情のようであって、実際のところ、どこの国でも、一番の関心事はその支給額になってしまっている。日本では満額でも、その支給額の少なさに関心を失わせているのに対し、フランスでは他の欧州諸国に比べても、支給額が比較的に高いので、これが60歳定年制を守ってこれたということらしいのである。

Y-FP Office Japan
歴史の好きな皆さん。Y-FP の時代小説もご覧ください。