風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

巣鴨へ

2016年02月25日 | 出版
某日、特に当てもないのだけれど、妻と巣鴨に出かけることにした。昔は西巣鴨にしばらく住んでいたので、その周辺のことは懐かしいけれど、ここ数年は巣鴨には行ってないような気がする。そういえば、東京にフラフラと出てきて、最初に住み込んだ先も巣鴨であった。その隣りは印刷所で、朝の9時になるとガラガラと印刷機の回る音が聞こえてくる。それが夕方17:00にはピタッとやむので、その瞬間にホッとしたものであった。
妻によると、「今年は申年なので、赤い肌着を身につけると運気が上昇する」ということだ。なんのこっちゃとたずねれば、「そういう言い伝えがあって、お昼のワイドショーで巣鴨のマルジが紹介されていた」そうである。赤パンといえば、マルジである。実は、その前をいつも素通りするだけで、買い物をしたことがない。パンツなんて、スーパーの3枚1000円で充分という人間には縁遠い世界なのかもしれない。しかし、どんな賑わいになっているのか興味がわいた。
そこで地蔵通り商店街に向かって歩いていくと、商店街に入ってすぐのところに、赤い下着を売っている肌着屋さんが店を出している。「オヤ、マルジさん、新店をいいところに出したねえ」と看板を見たら、別のお店のようだ。赤パンで一儲けしようとがんばっておられるのだろう。しかし、そこは素通り。まずはお地蔵さんでも見学することにしよう。とげぬき地蔵のある高岩寺に着くと、なんとなく入り口の雰囲気が変わっているような気がする。しかし、なにがどう変わったのかはよくわからない。
よく晴れた日曜日なので、多くの参詣者でにぎわっている。本堂を眺めてそのすぐ隣りにあるとげぬき地蔵に向かったら、相変わらず行列ができている。妻に「お参りするんか?」とたずねたら、「きょうはいいや」ということで、列に並ばずにすんだ。そこでふとお地蔵さんを見たら、参拝者がみなさん白いものを握りしめている。あれ?見慣れない光景だなあとしげしげ観察すると、みなさんは手ぬぐいを持っていて、お地蔵さんに水をかけてから手ぬぐいで拭いているのだ。おかしいなあ。昔は、身体の治してもらいたいところを、手で直接さすっていたはずなんだけど、この人たちは何をしているのだろうかと疑問に感じてしまった。しかも、参拝者の並んでいる列の脇に、手ぬぐいを1枚100円で販売しているのだ!ヒャー、商売上手なお寺さんやねえと感心してしまう。
とげぬき地蔵の脇から境内の外に出ると、目の前にはカレーうどんで有名な古奈屋があり、何人か並んでいる。池袋の東武百貨店に入っている古奈屋のカレーうどんは食したことがあるけれど、この本店には入ったことがない。確か、肉嫌いでもさほど困らないはずであるけれど、とにかく並んでまで食べようとは思わないわけである。そのままブラブラとマルジへ向かう。
そこは予想どおりの賑わいであった。現在は4号店まであるのかな。そのうちのどれかをちょろっとのぞいてみたら、店内は真っ赤っ赤。すべての肌着が赤ばかりである。しかし、前から赤の肌着をウリにしているわけなので、申年だから赤一色というわけではない。赤い腹巻を妻に買ってもらおうかなあと一瞬考えるけど、面倒なのでやめにしておく。そこで想像してみる。ある日、酔っ払って女の子とホテルに入ってしまい、服を脱ぎ出したらこちらは真っ赤の腹巻だ。これは笑いがとれるなあ。そのあとのお祭りも盛り上がることだろう、シメシメ。そのうち、妻に赤い腹巻を買ってもらうことにしよう。
ときわ食堂もいつもの賑わいだ。ここの焼き魚定食はうまい。しかも安い。昔はよく食べたなあと感慨にふけつつ西巣鴨方面に歩いていく。ようやくにして商店街の終わりとなる庚申堂に到着。その隣りでは江戸時代の遺構を発掘しているようだ。江戸時代の後期、そこには中山道の茶店があったらしい。
そのまま都電の庚申塚駅に向かって帰ろうかと思ったら、妻が「この商店街の有名なすっぽん料理屋さんの場所を確認しておきたい」と言い出したので、もと来た道をUターンする。「スマホで見ると、左側に少し入ったところなんだよねえ」と言う。そこで適当にマルジのところで左側に入ってみたら、前方に見慣れた「ファイト餃子」の看板が見えてきた。以前は都電の向こうにあったお店なのに、地蔵通りに移転したようだ。しかし、すっぽん屋はない。ファイト餃子の前を素通りすると17号線に出てしまいそうになるので、その手前で別の路地に入り、商店街の方にもどってみる。すると、商店街に出る手前にそのすっぽん屋があった。有名なお店らしいけれど、小生はちょっと苦手かな。
そのまま巣鴨の駅前にもどるが、ついでなのでミシュランの星を取ったラーメン屋でものぞいてみるかと、今度は南口に出てみる。妻のスマホの地図によると、スーパーのサミットからちょろっと入ったところのようだ。このへんかなあと歩いていくと、前方のお店のトビラがガラッと開き、いかにもラーメン店という格好をされた店員さんがお客さんを送り出している。アッ、そこか。全然並んでないようだからこれならスムーズに入れるのかなあとそのお店の前に着いてみたら、その隣りにガレージのようなものがある。そこに、10人ほどのお客さんが座って待っていて、こちらに一斉に視線を送ってくる。なんだか親鳥の帰りを待つヒナの群れのようだ。こりゃたまらんなあと、そそくさと素通りすることにした。
そのミシュランのお店を通り越したところで右折し、17号線に出ようとするのであるけれど、17号線の手前に昔から風俗店が並ぶ細い路地がある。その前を通ろうとしたところ、風俗店の呼び込みのおじさんたちがギロッとこちらをにらみつける。そんなに恐い顔でにらんでいたら、お客さんも逃げちゃうだろうと思うのであるけれど、なにかわけがあるのだろうか。

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