デカ営業二日目

出社時、総武線で騒々しいオッチャンを見かける。
ラッシュで座席がまったく空いておらず、そのことに腹を立てたオッチャンがひとり激怒しはじめたのだ。
「若者が老人差し置いて座ってんだからナ、たまったもんじゃねぇよナ！まあ日本は福祉国家じゃねぇからよ、仕方ねぇんだけどナ！本当たまんねぇよナ！」と、語尾に「ナ」をつけてわめき立てる。
おびえた女子高生が席を譲り、すかさずオッチャンが座る。今度はオッチャンの前に立っているサラリーマン（推定年齢55歳）に向かって、同意を求めるかのようにして先程と同じことを叫ぶのだった。
さらに、両隣に座る客に悪態ついてビビらせ、逃げるように降りる若者たち。
ところが途中でオッチャンによく似たオジサンが乗車し、「お隣よろしいでしょうか」とオッチャンに聞く。快諾するオッチャン。
「アンタ、ギャンブルやるか？」
「やんねえナ！オレは酒だよ。100円あったら握り飯一個買うより、ワンカップ買っちゃうよナ！」
朝から騒がしい総武線のお話。

今日は腹巻オヤジとのデカ営業二日目。出荷作業後、昨日オヤジが校正してくれた『うたうぬりえ帖　１月』の「○月○日の出来事」データをデザイナーさんへ送り、「歳時記」部分の資料集めをする。そこへオヤジが歯医者から戻ったので、今日は早々に社を出た。ということで、本日の風塵社は終日外出中で留守電機能のみが活躍。

八重洲ブックセンターの裏の通りにある「静香」という洋食屋で昼食をとることに。二人とも肉嫌いという点では一致しており、オヤジは白身魚フライ定食、マタンゴはカニクリームコロッケ定食を注文する。オヤジと食事するのは久々だ。ともに朝食抜きだったため、モグモグ無言で食べはじめる。コロッケは、揚げたてでサクサクしていてウマい！
食後に、簡単な打ち合わせをする。一緒に外回りすると、ひょんなことから思いついた企画をその場で話せるからいい。しかも、財布の紐がキュウキュウに締まっているオヤジが珍しく奢ってくれた！ご馳走様でした。

昨日担当さん不在で取りこぼした八重洲ブックセンターへ行くが、運悪く今日もお会いできない。駅に向かいながら、丸善丸の内店の大人の塗り絵コーナーでお世話になっている担当さんの話をしたら、担当さんの名前に覚えがあるようなので、挨拶しにうかがうことにした。しかし、ここでも担当さん不在でお会いできず。
蒲田の有隣堂にオヤジが懇意にしている担当さんがいるのでうかがうが、これまた公休日と重なるという不運に見舞われる。
最後に大井町の書店をまわるが、売上振るわず仕舞い。会おうと思った人にことごとく会えない一日。
マタンゴとオヤジ、歩けど歩けど棒にも当たらない非常に厳しい一日となった。

水道橋駅から壱岐坂までの裏道にて、オヤジから営業マル秘テクを伝授され、デカ営業二日目の幕がおりる。コレは、早速20日からの東北出張で実践しよう。