風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

鍵を忘れた(1)

2019年06月22日 | 出版
6月の、時おり強い日が差し込んでくる曇りの日、このなにもやる気がわかない病からの脱却を試みるべく、ジョギングでの通勤に努めることにした。走る意欲の出ない日は、歩いて会社に向かうことにしよう。その日は、新聞紙の回収日であった。先月は雨にたたられて出せなかったので、2ヵ月分の新聞紙を建物入り口の脇に置き、会社に向けて走り始めた。日が強くなると疲労を感じるものの、ペットボトルの水を飲み飲み、いつものペースで会社の近くにたどりついた。ところがそこで、鍵を家に忘れてきたことにはたと気がついたのだ。小生のあとに妻が会社に向かうことになっていたので、新聞を出したところで鍵のことをすっかり忘れてしまい、キーホルダーをそのまま自宅内に置いてきたというわけだ。そのホルダーには、会社のものから自宅のものまで付いている。
ありゃあ~、困ったなあ~と考えるものの、すべてがあとの祭りであるうえ、1から10まで小生の不注意によるものだ。ガードレールを蹴りつけたくなる気分ではあるけれど、そんなことをしても、問題の解決からはほど遠い。このまま地下鉄で自宅にUターンしようとするが、そこでよく考えてみれば、自宅の鍵も自宅内にあるわけであるから自宅には入れない。ウーム、どうしよう。資金繰りの悩みほどではないけれど、かなりの難問である。
大家さんに頼んで会社の鍵を借りようかとも考えるが、自宅の方はどうするよ、と悩む。しょうがないから、妻のお昼休憩を待つことにした。昼飯のため会社から出てきたところで、彼女の鍵を借りて一度帰宅しようという作戦だ。そこで一度自宅にもどりおのれのキーホルダーを取ってから会社にもどれば1時間半くらいのものだろうか。そして、彼女の帰宅時に本郷3丁目駅あたりで落ち合って、鍵を返せば問題はないだろう。ところで、妻の勤め先の電話番号を知らない。家のなかをひっくり返せばどこかにあるかもしれないが、なにもなければ電話などかけない先である。そのため、弊社の前に腰をおろし、妻のスマホに鍵を忘れてきた旨メールしておいた。
それから、都内某所の彼女の勤め先近くに移動することにしたものの、いまだジョギングパンツにビショビショのTシャツという姿だ。どこかのトイレを借りてツラくらいは洗いたい。というわけで、まずはお茶の水の日本出版販売の向かいにあるソラシティに移動。そこの地下のトイレで洗顔と着替えをすます。妻のお昼休みといっても、まだ10:00過ぎである。彼女のシフトを知らないが、早番ならば早いほうで11:15くらい、遅番で遅いほうだと13:30くらいが昼休みのスタートだろう。時間がありすぎるから、彼女の勤め先の近くまで歩いていくことにする。
お茶の水から駿河台の坂を下っていき、小川町の交差点を抜け、神田橋の交差点へ。橋を渡ったところで左折し、川沿いに日本橋を目指して歩いていく。そこで思うに、その日本橋のかかっている川はなんという名称なのだろうか。お茶の水を流れているのは神田川であるけれど、それはすでに通り越している。ならば、小生の左手を流れている川は、どこから流れてきて、どこに流れ出しているのだろうか。おそらくは家康の江戸城築城の際の大規模工事の一環として造られたものだろうと推測するものの、昔の江戸城ってバカでかかったんだなと改めて感じ入る。
そうこうするうちに日本橋へ。まだ11:00前でコレド日本橋は開いていない。そのへんをウロチョロしても仕方がないから、コレドが開くのを待つことにした。ようやくなかに入れば、喫煙所があるのがありがたい。まずはそこで一服しつつ、現在日本橋の旨、妻にメールを入れておいた。しかし、いつまで待つことになるのやら見当がつかない。地下の上島コーヒーに入り、リュックに入れておいた読み止しの本を読みながら連絡を待つことにした。
おのれのケータイが気になりつつも本を読んでいたら、いつの間にやら12:00を過ぎていて、店内がお客さんであふれ始めてきた。電話まだかなあといらだつものの、もしかして地下にいるとケータイの電波が弱いのかなあなんてことも考え始める。このWi-Fiの時代、そんなのは一昔前の苦労だとは思うものの、実際に、弊社内にいるといまだにスマホのかかりが悪いのである。コーヒー一杯でいつまでも粘っているのも落ち着かないしと、一度外に出ることにした。そのまま、コレド日本橋ANNEX広場なる緑地帯で本の続きを読むことにしつつも、ところが、しばらくしたらその本を読み終えてしまったのだ。困った。ヒマになってしまったではないか。
近くの書店で他の本でも買おうかなと考えるものの、その場からあまり遠くには行きたくない。そのうえ腹も減ってくる。お昼時なので、料理店からの匂いが小生の空腹を刺激する。そのうえ、することもないのだ。無意味に近くをグルグルほっつき回るか、ベンチに腰を下ろして瞑想でもするか、そのくらいしか、することなんて思いつかない。残念なことに空腹のせいか眠くもならない。そこで、これも人生修行と観念し、ベンチに座って無念夢想の修行でもすることにした。とにかく13:30までは、妻からの連絡を待つことにしよう。

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