風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

やになっちゃうなぁ

2010年01月21日 | 出版
某月某日。ある寒い冬の朝。9:30出勤を目指している小生は、丸の内線後楽園駅を降り、会社へと向かう。壱岐坂下交差点を渡りきると、向かいから60過ぎくらいの夫婦連れが腕を組んで歩いてきた。寒いため、奥様のほうはご主人のコートのポケットに手を入れている。仲のいいことだ。そこで歩行者信号が点滅を始めたのだろう。奥様のほうがあわてて、信号を渡ろうと小走りに走り始めた。
ところがそこで、奥様の足がもつれてバランスを崩してしまう。つられてご主人もバランスを崩してしまい、夫婦そろって前につんのめっていく。さらにもつれ合いながらひっくり返り、路上に大の字がふたつ並んでしまった。あわてて両者ともに起き出すが、バツの悪さと痛さとでお二人とも顔が引きつっている。大笑いしそうになるのをこらえて、お二人の脇を通って会社に向かうことにした。

某月某日。これもある寒い冬の朝。後楽園駅で降り、ラクーアの2F通路を会社へと向かう。目の前を若い女性が歩いている(推定21)。左足を蹴り上げるとき、かかとが外に流れるクセがあり、歩き方がユニークであるが、ちんたら歩いていて遅い。小生がその脇を通り過ぎようとし、半身リードをしたところで、突然その女性がスピードアップした。「なんだよ、こいつは」と、小生は思わなくはない。
まあしかし、こちらはこちらのペースで歩くことにする。するとその女性は、チョコマカチョコマカ小走りに進んでは、そっと後ろを振り返ってはこちらとの距離を測り、また小生が近づいてくるとさらにチョコマカチョコマカ先に進む。「こいつは頭がおかしいのだろう」と結論付けることにし、虚心坦懐、会社へと向かうことにした。どうでもいいような、日常の一こまである。

某月某日。某所で秘密会議を行い、その後仲間内で酒を飲みに行くことになった。なんと、おしゃれできれいなさくら水産があり、そこにしけこむことにする。そこで某氏が、「自動改札になる前の国電時代の南千住の駅なんて、労働者は切符なんか渡さずに勝手に出入りしていた」と昔話。おおらかな話でいいなあ。しかし、目的地の駅で降りるときはどうしていたのだろうか。
そこで、この正月の派遣村で、渡された2万円を手にして行方を絶ってしまった人が200名いたことが、どうしてニュースになるのだろうかという話になる。200名ではなく50名という新聞報道が一部にはあったらしいが、いずれにせよ、100~400万という額である。チン太郎がオリンピック招致で使った何百億という金額から見れば、ゼロに等しい数値だ。
こんなことがニュースになる背景には二つ考えられるだろう。ひとつは、チン太郎が来年は派遣村に協力しない口実を作ろうとしていること。もうひとつは、所詮はホームレスなんだと安心したがる(同情と一緒に)マスコミと視聴者(購読者)がいるということだ。
当然ながら、面倒なのは後者の問題だろう。家も職もなくて大変ねえと同情の念を持ちつつも、所詮は敗残者なんだと見下すことで、不安定な自己の存在に安らぎを見出そうとする一般市民。2万円を持ち逃げしたというニュースが、こうした中和剤として機能している日本という社会は、いやな社会である。将軍様が、早く日本海側の原発にテポドンでもぶち込んでくれないものか(もしもそうなれば、外国人排斥が一層ひどくなるだろうけれど。その前に日本に人がいなくなっているか)。

某月某日。冬にしてはいやに生温い朝を迎える。出るはため息ばかりなりで、労働意欲もわかない。外は、いまにも雨が降りそうな曇り空だ。それでも、やうやうにして会社に到着すると、あきやまさんから電話。実は本日、多摩霊園にマイラーしに行こうかと予定していたのだ。ところがあいにくの天気なので、本日は中止にしましょうという内容。曇り空の下でマイラーをしていても、陰惨な気分になるだけである。
その後、各取次に『レッスル・カルチャー』の配本部数の確認の電話。各社軒並みに希望部数から減数してきやがる。ボケ。
「あ~ぁ、やになっちゃうなぁ」
と、ひとりボヤキながら出荷作業をしていると、P舎Kさんが、「それを本にすればいいじゃないですか」と斬新なアイデアをおっしゃる。ウーム、どういう本にすれば面白くなるのだろうか。『マーフィーの法則』というのが昔ヒットしたけれど、ああいう感じで、どういうときにいやになるのかそのパターンを示すとか、毒のある絵本っぽい作りにするとか、やり方はいろいろあるだろうけれど、あまりにネガティブなのでそもそものコンセプトに自信がない。
ついで、M印刷Sさんから電話があり、先日送ったデータのノンブルが通っていないと指摘される。ウーン、なんだかミスの多い仕事である。理由は簡単で、初稿を小生が作っているわけではないので、設計のコンセプトを小生が理解していないからだ。このたび、数回ミスを繰り返して、ようやく初稿を作った人のやり方が理解できた。大きな声ではいえないが、その初稿データがかなりいい加減だったようにも思う。
その後、あちこちへメールしてから昼飯に。午後からは、あちこちへの請求書の作成作業。本当は今月の頭には送らなければならないものを、「やになっちゃうなぁ」症候群のおかげでズルズルと後回しにしてしまっていた。しかし、請求書の発送が遅くとも、サッサと払えコラァ!という気分である。
ようやく落ち着いて外を見れば、すっかり暗くなっている。さてと仕事のまねごとでもするか。

21世紀版 マーフィーの法則
アーサー・ブロック
アスキー

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る

コメントを投稿