風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ざるそばと盛りそば

2009年06月10日 | 出版
昨夜は24:00ころ帰宅。シャワーを浴びて早々に寝ようとするが、なかなか寝付けない。蒸し暑いのもあるが、少し精神的に疲れているのかな。おかげで今朝は7:00起床。ヌボーと新聞を読むが、なかなか意識が回復しない。ザザッと目を通したつもりが、例によって、何が書かれていたか思い出せない。弁当を作る意欲がわかないけれど、コーヒーだけポットに詰め、朝飯に卵納豆ぶっかけご飯をかっこんで会社に向かうことにする。
9:40に出社すると、すでにP舎大大社長が来ている。本日は五十日(ごとおび)のうえ、P舎は新刊『本と私と筑摩書房』(筑摩書房前社長著)の取次見本でもあるので、朝から忙しいのだろう。こちらはそそくさと出荷を済ませ、こちらも銀行まで。あきやまみみこさんに、貯まりつつある支払いのほんの僅かばかりを振り込み、「風塵社の1円は血の1滴」とメールを打っておく。本日もたっぷり血しぶきをあげてしまった。当座の残高、八阡円也。ということは、あと8000滴しかないぞ。さてさて、今月もどうやってしのごうかなあ。名案がさっぱり思い浮かばない。
ないものの算段をしていても、まったく生産性はない。ということで、昨夜からの作業の続きに入ることにする。ようやくひと段落したら11:30。嗚呼、疲れた、ということで囲碁に我を忘れることにする。すると、P舎にトーハンの書籍仕入れの担当者から電話があり、「『本と私と筑摩書房』の内容について説明してほしい」ということだ。オッ、取次の食いつきがいいですねえ。こりゃ、大化けするのかな。
そういえば、本日から文春文庫版『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』が発売になる予定である。『本と私と筑摩書房』を書店さんで探すついでに、文庫版『ぶらぶら~』もお探しし、最後に風塵社版『ぶらぶら~』をご注文してください。というのは冗談であるが、どの本も売れてほしいものだ。
ということで、近くのそば屋まで昼飯に行く。このお店は、特別においしいということでもないがダメというわけでもない、いかにも街角の普通のそば屋さんなのであるが、特徴は麺が長いこと。通常の2割り増しくらいの長さの麺である。そのため、蕎麦ちょこでは食べにくいから、一回り大きい茶碗に汁を入れて出している。
で昔、この店でそばを食べていると、近くの会社に勤めている感じの背広を着たオッサンが、制服姿の部下の女の子を二人連れてお店の中に入ってきた。そこで女の子に向かって、「ざるそばと盛りそばのちがいを知ってる?」と講釈をたれ始めた。「汁の出汁がちがうんだよ。ざるはかつお出汁で、盛りは昆布出汁なんだな」と、薀蓄をひけらかしている。
ところが、お店の若い男性がそれを聞いて、よせばいいのに、「うちはどちらも同じ出汁なんですよ」なんて言ってしまうからいけない。重苦しい沈黙が、急に漂ってきてしまった。オッサンはただ、女の子の前で格好つけて、「○○さんて、よくご存じなんですねぇ」なんて女の子にチヤホヤされたかっただけなのに、オッサンの甘美な夢がひと言で砕け散ってしまった。あ~あ、残念。しかし、そのちがいは本当なのだろうか。
13:00に会社にもどり作業再開。フーフーため息をつきながら作業をしていると、S社Uさんから電話。「『21世紀の歴史』がまた増刷になったので、10刷の奥付データを送ってください」と。「作品社「21世紀の歴史」10刷、GW明け注文殺到」と業界紙『新文化』でも紹介が出たようだ。単純に参阡伍百萬円の売上である。いいなあ、お金を借りに行こうかしら。
DTP作業中からいい本だとは思っていたが、こんなに売れるとは思わなかった。いやあ、すごいなあ。弊社もそろそろ、10刷くらいになる本を出したいものだ。
そこにAさんとNさんがご来社される。P舎内が立て込んでいるので、坂を下ったところにあるニューヨーカーズカフェで打ち合わせ。奇天烈な格好をしているNさんに、周囲の人の視線が集まる。AさんとNさんが窓際に腰をかけられ、それに対面する形で小生は座っていたが、下校途中の女子高生がNさんにチラホラチラホラ視線を送っている。ちょうどそこを通りかかったヤマト運輸のおじさんも、Nさんに視線を送ったら、ちょうど小生と視線が合ってしまい、お互い気まずく頭を下げる。
Aさん、Nさんとの話が、この先うまくいくことを願っておこう。長年のアイデアである『断食エクスタシー』の話もNさんに振ってみるが、これはどうなることやら。
16:00過ぎに社にもどり、まずは『21世紀の歴史』の修正データをUさんに送信。さてさて、いまから仕事の続きをしなければならない。その前に囲碁でもやりながら、ひとり編集会議にいそしむことにしよう。しかし、DTPソフトのヴァージョンアップを図らないといけないし、今月を越さないといけないし、なんやらかんやら頭の痛い問題が控えている。困ったものだ。

ぶらぶらヂンヂン古書の旅 (文春文庫)
北尾 トロ
文藝春秋

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mikogamitenzen)
2009-06-23 18:00:22
ざるは鰹の一番だし、もりは鰹の二番だしでつゆに差を付け、ざるには海苔も載せるというようなことを聞いたことがありますが、そんな面倒なことをやっている店は、ほとんどないと思います。
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Unknown (mikogamitenzen)
2009-06-23 18:00:24
ざるは鰹の一番だし、もりは鰹の二番だしでつゆに差を付け、ざるには海苔も載せるというようなことを聞いたことがありますが、そんな面倒なことをやっている店は、ほとんどないと思います。
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腹巻オヤジ (うまけりゃいいんだ)
2009-06-23 19:11:09
コメントありがとう。最近、だれもコメントを寄せてくれないので、少々イジケ気味でした。
食い物に講釈をたれるのはあんまり好きではないので、いまだに違いはわかりません。それに、江戸前の違いのような気がするから、信州の山ザルである小生には、どうでもいいかな、という気がしなくもないところです。早く自社ビルを建てて、屋上で蕎麦を栽培することがとりあえずの目標です。
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