風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

NO FUTURE

2008年10月20日 | 出版
場所柄、JR水道橋駅お茶の水側の立ち食い蕎麦屋さん(あじさい茶屋水道橋店)に入ることが多い。立ち食いなのでほとんどが男性客であるが、最近は若い女性の姿も目立つようになった。これも不景気の影響か。
先日も小腹が減ったので、天ぷらそばでも食べようとそのお店に入ると、若い女性の隣りで食べることになる。いいですねえ。お互いに見知らぬものどうしとはいえ、若い子と肩を並べてそばをすする。七味を取ろうと手を伸ばすと会釈なんかされちゃったりして。おそばの味が3割り増しで美味しくなる。
ところでここのオヤジさん、小柄なかたであるが、長年この商売をされているのだろう、動きに無駄がなく風格を感じる時がある。特に、そばをゆで網に箸で放り込んでから、その箸を後ろに回すしぐさがかっこいい。クイッと手首を回して箸を後ろにもたげてからしばし待って、またその箸でゆで網のなかをかき混ぜるのであるが、そのクセを見ているのがなんとなく楽しい。
富士そばだったか、そこの社長が作詞した演歌のCDを流している立ち食い蕎麦屋があるけれど、あれはいただけない。どうせならば、パンクかヒップホップにしてもらいたいものだ。

のん気にそばの話なんかしている場合ではなかった。「新文化」によると、「出版販売金額2012年には1兆7800億円、矢野経済研究所が予測」とのことである。特に雑誌は大幅な落ち込みになるとのことであるが、書籍も落ち込むのは必至だろう。零細出版社にしてみれば(大手も一緒か)頭の痛い話だ。
十数年で、業界として1兆の売り上げ減となる見込みというわけであるから、傷を深くしないうちに店をたたんでしまうというのは、有力な選択肢と思われる。しかし、すでに傷は充分に深いので、その勇気が湧いてこない。困ったなあという口癖がまた出てしまう。
同じ「新文化」で、「文教堂、5期連続の減収、前期に続き赤字決算」ということであるから、ひとり出版社が苦しいだけではなく、取次も書店も同様に苦しいわけである。見切るのならば早いほうが得だとわかっていても、この業界に長くいてもなんにもツブシが効かないし、腰は重くなる一方だ。風塵社つぶして編プロ立上げ構想も見直さないとまずいな。新会社を作っても仕事が全然なかったりして(苦笑)。
まったくもって「NO FUTURE!」という気分である。

などと、くだらない予測に沈澱しているわけにはいかない。とにかく目の前の問題を処理しなければ、明日は来ないのだ。と、必死になって索引作りに励む。ところが、肩は痛い、手首は痛い、腰は痛い、目は痛いと、イ○イ○イ病だ(差別的な表現でごめんなさい。でも、そうとしか言い表せないのである)。
何回か集中が途切れそうになるところを、とにかくガマン。著者がエクセル上にピックアップした索引語句をコピペして、インデザイン上の索引ソートにかけていく。まいっちゃうのが、著者が間違えて入力しているもの。これがあるとスムーズに作業できず、正しい語句を検索して探さなければならない。
ようやく、全体の半分を超えたところで日が暮れて、疲れ切る。こんなことをしているよりも、手に職をつけたほうがいいのではないかと思ってしまうのであるけれど、間違っているのだろうか。

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