風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

博多で復讐の鬼となる

2007年06月08日 | 出版
博多で毎度お世話になっている「アンカーホテル」は駅から少し離れているが、まだまだ新しい建物のうえに朝食がついて一泊5000円と良心的で大変お気に入りの宿だ。ベッドの寝心地もいいので目覚めもいい。ただし心地よいベッドは眠りを深め、ギリギリまで体を休めさせてしまうから朝食をとる時間がなくなってしまう。ということで出張折り返し地点の本日はギリギリまで眠り、朝食返上で博多駅へと向かう。地下鉄空港線で天神駅へ出てから、七隈線に乗り換え薬院駅へ。日販店売からスタートする。『うたうぬりえ帖』をひいきにしてくださっている担当のNさんによると、今年は直木賞の該当作品がなければ『ハリポタ』や『ダヴィンチ?コード』のような爆発的に売れる作品もないため、どこの書店も前年に比べて売上が停滞気味らしい。そこで「本屋さん大賞」の話をふると、受賞作について感想を聞かれたので、最近読んだばかりの『一瞬の風になれ』(第1位)と『夜は短し歩けよ乙女』(第2位)についてお話しする。Nさんは三崎亜記の『失われた町』(第9位)が一番よかったらしい。今度読んでみようと思う。
商談を終えたところでNさんからぜひとも読んでほしい本として、佐木隆三氏の『復讐するは我にあり』をおすすめされる。第七十四回直木賞受賞作であり、すでに講談社より文庫化されている本書だが、佐木さんの意向により改訂新版が福岡の版元である弦書房から今年4月に刊行され、人気を呼んでいるそうだ。
「ぜひ読んでほしい。読んだら感想を送ってください」
「か、感想ですか。ハイ、お送りいたします!」
とはいえ、面と向かってならば顔芸と気迫でなんとか想いを伝えられたとしても、文章にするとどうだろう。マタンゴのことだから、頭の悪さが露呈するだけだろう。ああ、どうしよう、どうしよう。
ちなみに明日小倉のクエストで佐木さんのサイン会がおこなわれるそうです。
Nさんとの会話ですっかり興奮したマタンゴは、帰り際の階段でフラフラ立ち眩み、どうも指先にしびれを感じるので、こりゃあ貧血状態じゃわい、と慌ててマスチゲンS錠をかっこむ。肉を食べずに貧血を治す方法が知りたい。

ボンヤリしながらトーハン店売にうかがうと、ご担当者さんが来週いっぱいまで出張中とのこと。ガックリしながら、地下鉄で天神に戻り書店をまわる。

天神コアの福家書店で北尾トロさん著『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』の紹介をすると、担当のYさんが刊行をとても楽しみにしてくださり既刊と一緒にドサリと受注してくれて嬉しい。勢いに乗ってズンズンまわる。お隣りの福ビル内丸善→ビブレ内ジュンク堂→青山ブックセンターの担当さんは休憩中だったため、再度うかがうことに→大名のヴィレッジヴァンガードへ向かう途中で建設中のツタヤを発見。7月オープン予定らしい。

大丸前から出ているバスに乗り、キャナルシティへ向かう。福家書店で『書店員タカクラの、本と本屋の日々。…ときどき育児』(書肆侃侃房刊)の著者である高倉さんにご挨拶をする。高倉さんは北尾トロさんの大ファンらしく、トロさんにご自身の著書をお送りしたことがあるそうだ。高倉さん、夕方のドタバタした時間帯に失礼いたしました。新刊、既刊ともどもよろしくお願いいたします。

ホテルへ帰る前に、書店で『復讐するは我にあり』を購入。お、重い。416ページの上製本なので、しまうとポシェットがパンパンだ。これは持ち運びには向かないので、一気に読みたい。

復讐するは我にあり 改訂新版

弦書房

このアイテムの詳細を見る


書店員タカクラの、本と本屋の日々。―…ときどき育児

書肆侃侃房

このアイテムの詳細を見る



最新の画像もっと見る

コメントを投稿