風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

意欲減退のところに

2020年07月04日 | 出版
今年もまた九州南部で豪雨である。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。これが二酸化炭素増加のせいなのかどうかは知らないけれど、従来の想定を超える雨量なんて世界的に珍しくなくなっているのだろう。したがってこれまでのように、治水ダムで水害を抑えられる、なんていう発想は20世紀の遺物になっていくのかもしれない。となると、過去に脱ダム宣言をした田中康夫は、けっこう先見の明があったということなのだろうか(多分そうじゃないと思う)。
さてところで、コロナだなんだと騒いでいたら、2020年も折り返しとなっていた。まさに光陰矢のごとし。恐ろしい話だ。こうなったら、本年も最後までたどり着きたいものではあるものの、後半も苦戦が予想される。毎度ながらで困っている。そして現在、某経理作業をあわてて行っている最中である。若いころ、経理作業をそれほど大変とも思わなかった。ところが、今回はやる気がまったくわかない。なぜなら、ここ数年の売上不振を直視しなければならないからである。そのため、領収書の山を前にため息をつくだけで、その仕訳がまったくはかどらない。おかげで、集中すれば2、3日で終わっているはずの作業が永遠に続きそうな雰囲気をかもしだしてきた。
そんなおり、QCのSさんが病気を理由に「救援」紙の編集作業から降りたいと言いはじめる。「後任はだれかいるんですか?」と小生がたずねると、「ある人に任せようと思っていて、いま、InDesignの基本的な操作を教えている」とのこと。「それなら、その方をそのうち紹介してくださいよ。今後の打ち合わせもあるし」ということで、その場での話は終わった。
ところが数日後、QCのY事務局長から電話がある。今後の「救援」の制作について相談したいから、近々Sさんと風塵社に行きたいという旨だ。ご来社いただくのはもちろん歓迎であるものの、後任がどうしたこうしたは話がついていたんじゃないのかと考える。そして、その方と打ち合わせするため、小生がQCに行くものとばかり思い込んでいたから、なんだか話の雲行きが怪しいなあと感じ始めた。
そこで某日、YさんとSさんがご来社。Sさんの後任として当てにしていた方が、作業は複雑だし技術的には面倒でよく理解できないので、後任の座からから降りたいとなってしまったそうなのだ。したがって「つきましては腹巻くん、『救援』の編集面にも関わってもらえないだろうか」というのが依頼の趣旨である。その事情は理解したものの、実は、QCの実務的な内容には深入りしたくない。大変に単純な理由で、QCなるものの存在自体が、さまざまなやっかいさを抱えているからである。
そのため、「お手伝いはできるだけしますけど、うちとしては、あくまでもQCの出入りの業者であるということで、QCとは一線引いておきたいんですね。QC内部の問題には首を突っ込みたくないんです」と率直に答えることになる。そこに含意していることをYさんはすぐ理解され、「腹巻くん、それはわかっている。風塵社があくまでも出入りの業者であることになにも問題はない。それで、実はいろいろと考えてきたんだけれど、私の昔からの知人にその間を取り持つ役をお願いするというのはどうだろうか」
そのご提案自体はありがたいものの、お会いしたことのない方になにかを委ねるというのはチト怖い。その方のスキルのレベルを知らなければ、どういう人物なのかをそもそも知らない。といって、せっかくいろいろと考えていただいているYさんの顔をむげにもできない。どうしたものかとしばし考え「わかりました。私が一度そちらに行って、次号からの体制をどうするか相談したうえで、その方に間に入ってもらうかどうかを決めませんか」と提案してみる。
そこでSさんに今後どうなされるのかと聞いてみると、すぐにすべてをやめてしまうということではないようだ。それならばと、「じゃあ、早く本を書いてくださいよ」とお願いしておく。そして、これまでSさんに任せておいた紙面の割付は小生が引き受けてみることにし、とりあえずはそれでやってみようかと考えた。あとは編集的な、どのページにどういう記事を掲載し、その原稿依頼時の字数をどうするかという大きな作業が残るものの、それは、小生が出入りの業者としてQCの編集会議にオブザーバー(またはアドバイザー)的に参加すればなんとかなるのかなという気もしてくる。
当然ながら、締切を守らない奴とか、字数のことをまったく考えないアホなんてのはいつでも登場するものである。それに対して、小生がある程度の権限をもって対応できるのならば、これまでよりもさらにスムーズになるのかなと思わなくもない。字数オーバーの原稿なんてこっちで勝手に切ってしまえるし、締切に遅れた筆者にはこちらから恫喝の電話を入れられる。それはそれで悪くない話だなあと夢想してしまったものの、実際のところは、体験してみなければその大変さを実感できないことだろう。したがって、「救援」の今後はどうなるのだろうか、小生にも予想がつかず。嗚呼、その前にわが社の経理処理を終わらせないといけなかった。

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