風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ハリー

2013年10月25日 | 出版
某日、社内に悪いお仲間が集まり会議。来年はどういう悪事をたくらんで楽しもうかという内容で、いくつか意見が出る。しかし、どれもいまいち決め手を欠き、年内にもう一度集まって、練り直してみるかとなる。
会議後、Sさんお手製のおつまみを肴に酒を飲む。尊敬できるお仲間と一緒に酒を飲むのは楽しいものだ。たらふく食って(といっても、若い頃のようには食べられないが)、酒を飲んで片付けをしてから、23:00頃地下鉄の駅へと向かう。
そこでバッタリ、F社S氏と遭遇。疲れたような顔をしている。S氏はずっと仕事をしていたそうだ。「よくがんばるねえ。わし、一日に6、7時間も集中したら、それが限界だよ」と言うと、S氏はちがうようだ。「ぼくはもっとやれるかなあ。集中できる環境にいれば、12、13時間くらいは仕事できるんじゃないかなあ」
すごいねえ。一日に12時間も集中して仕事していたら、小生なんか三日で死んじゃうよ。12時間仕事のまねごとをすることはできても、それだけの長時間、集中を持続できないだろう。年齢の差なのだろうか。しかし、S氏の集中よりも小生の方が深く、「集中の深さ×時間」で計算すれば、同じくらいのものだということにしておこう。
それはともかく、今やっている作業のペースだと、一日に6、7時間かけてリライト作業を1万字くらいこなしているが、夕方にはオツムが爆発しそうになっている。当然ながら、作業に疲れると、合間に囲碁をはさんでいるわけで、それ以上となると体力的には厳しい。
ところがそうも言ってられない現実があり、小社としても次の新刊を作らないといけないし、請け負った仕事もしないといけない。そうすると、集中できる時間をもっと伸ばさないといけないということになる。ウ~ム、精神力鍛錬のために座禅でも始めるか。
某日、F社にKが来るというので、酒を飲みにすぐ近くのF社へ行く。昔、小生がF社に勤めていた時、現F社社長とKとは同僚に当たる。J社社長も来ていて、酒を飲みつつ、某社の内情を細かくKに聞いていく。その某社、とんでもない目になってしまい可哀相ではあるが、Kの話を聞いていてしょうがないのかなと思ってしまった。
会社が厳しくなってくると、こういうバカな起こるんだという現場には小生もこれまで何度か接してきたが、その某社で起きていることも、似たような感じである。なんとかうまく着地点を見い出して、再起してもらいたいものだ。「PDNA」か「FDNA」という誰にもわからない小生の造語があり、人間ってそうなっちゃうんだなあ。
その後、酔っ払ってきて浮かれ始め、なんだか知らないけれど『ダーティ・ハリー』の話になった。『ハリー』といえば、バスジャックした犯人がガキどもの頭をひっぱたきながら、歌を強要するシーンである。そうしたらKがその歌を歌い始めたから爆笑してしまった。
J社社長は、「いやあ、ぼくは腹巻君とはツボがちがうなあ」とおっしゃっていて、おそらくJ社社長がまっとうな感覚なのだろうと思う。しかし、小生にとっての『ハリー』はそのシーンと、前半で犯人の張り込みをしている時、ハリーがのぞいている双眼鏡に映し出される変態ネーチャン(オカマちゃんだったっけ?)と、スタジアムで犯人を取り押さえた時のスーパー・ロングショットなのである。
そこに描き出されたUSAの病理がたまらくファンキーで、観客としてはもっともワクワクしてしまう。ただし、それはあくまでも観客ということであって、実際問題としては、そういう病理をはらんだUSAには早く地球上から消滅してもらいたいものだ。
F社社長が、『ハリー』の1ならクリカンじゃなくて山田康雄の吹き替えで観られると言っていて、確かにそのとおりである。なんだか久しぶりに『ハリー』を観たくなってきた。
そういえば、最近は劇映画を観ようなんて気がまったく湧かなくなっている。誰かから何かのチケットでももらえばお義理で行くけれど、映画を観ていても退屈で眠たいだけなので、自分からはそういう気が起きない。ドキュメンタリーならば関心が湧くけれど、ドラマはどうでもいいのだ。関心のないものにお金を払うわけがない。
どうせドラマを観るのならば、演劇の方が面白い。若い頃はそういう境地になれず、映画の演技の方が自然な感じがして、演劇よりも映画の方が面白いと考えていたのだけれど、年齢によってそういう嗜好が変わってくるのかもしれない。と、偉そうに書いてみたけれど、実は芝居にもろくに足を向けていない。生活が困窮しているのだから、そんなものにお金を落とせるわけがないのだ。ワハハハハ。
その翌日、シャケを焼いて昼飯を食べていたら、突然、妻から電話がかかってきた。なんか不測の事態でも発生したのかと心配したら、「話している時間がないから、さっきメール送ったので、それに必ず返信しろ」と命令だけされて切られてしまった。なんやろねとメールを拝読すると、赤坂BLITZで行われるStonesのライブフィルムのチケットを取っとけよ、ボケ!ということだった。

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