風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

セッセコ、セッセコ

2010年04月13日 | 出版
先日の日曜日(4/11)、タバコを買いに近くのコンビニまで行くと、各紙の朝刊が並んでいる。自宅で購読しているのは「朝日」一紙なので、ついでに、各紙の一面の見出しを眺めてみたら、「朝日」以外は与謝野・平沼新党の立ち上げをトップにすえていた。こんなどうでもいいような新党の結成が、一面の見出しかよと思わざるを得ない。
自民党内の中堅には、口うるさいだけのロートルが勝手に出ていってくれたので、清々している連中が多いのではないのだろうか。ついでなので、森に始まり、福田、ポン三、アホウという首相経験者も、新党に合流したらいいだろう。笑ってしまうのは、中曽根、ナベツネ、チン太郎という、これまたどうでもいいようなアホな連中が、この新党を応援していることである。どうせなら「老人党」と命名し、参加資格70歳以上、高齢者福祉の充実を訴える真の保守主義とでもすれば、世間的にもわかりやすい存立理由となるはずだ。
「朝日」の一面はタイで日本人記者が死亡した件であったが、個人的にはその左脇にあったポーランド大統領の事故死のほうがかなりショッキングで、もし小生が編集委員ならば扱いを変えているところだろう。
カチン(カティン)の森の虐殺から70年。その追悼式典に向かっていた専用機が墜落事故を起こし、ポーランド政府関係者が多数亡くなってしまう。現在のロシア・ポーランド関係がどうなのかよく知らないが、あまりに歴史的な悲劇に慄然とするものを覚える。
ワイダ監督が「カチン」を撮っていたのは知っていて、それが岩波ホールで上映されていたこともわかっていたし、ワイダ作品なので映画としても完成度の高いものなのだろうということも予想したけれど、あまりに重すぎる話なので、観にいこうという意欲がわかなかった。以前、観にいったワルシャワ蜂起の映画があまりに息苦しくて、そういう思いに浸れるような精神状況にこちらもなかったのだ。もしワイダ作品を観ていて今回の悲報に接していたら、さらにショッキングだったかもしれない。

昨夜は寒暑い寝苦しい夜であった。布団の中に入っていると暑いし、布団をはだけると寒くなる。おかげで2:00ころ目が覚めてしまい、しばし眠れぬ夜をすごす。3:00前に再び就寝。おかげで、本日は目覚めが悪い。一日働いただけで元の木阿弥である。眠い目をこすりながら、9:20出社。
メールチェックをすると、Oさんから、「本日13日付東京新聞特報面で鎌田慧さんが、御社の新著『チビンケ』についてに触れています。/このメールを読むころには書店からの注文が殺到していることでしょうね」というメールが届いている。あわてて近くのコンビニに行き東京新聞を購入。内容は明日このブログに掲載することにして、しかし、注文は来ないぞ!というか、昨日、取次に新刊を搬入したばかりなので、まだ取次のトラックで運ばれている段階だろう。
そこに鎌田さんご自身からもファクスが入る。「前略/本日の東京新聞のコラムに、荒井さんの本を紹介しておきました。/彼女にもお報せして下さい」。ひゃー、ご丁寧にいたみいります。しかし、最近の風塵社は、またマスコミづいてきている。この調子だと、そのうちヒットを出しちゃうかもしれない。ところが、その前に終わらせなければならない作業が残っているのだ。
ということで、M印刷さんからのお仕事をやっつけることにする。ある索引データの修正を、本当は昨日中に終わらせなければならなかったのであるが、まだ終わっていない。午前中にはなんとかしないとまずいだろう。セッセコ、セッセコ、真っ赤赤に染まったゲラを直していくのである。しかし、この作業はひたすら気が重い。1行直してはため息が出てくる。なぜなら、一度直しても、どうせまた組み替えることになることがわかりきっているからだ。まさに、埋めるために穴を掘るようなものである。毎度のことながら、段取りの悪いクライアントの作業をするのは精神衛生上非常に悪い。
11:30、M印刷Sさんご来社。まだ終わってないよー!あと、もうちょっと、と誠意だけ見せておく。ということで、ラストスパート。12:30、ようやく作業が終了。しかし、同じような作業をまた繰り返すのかと思うと、人の世の無常を感じざるを得ない。あぁ、やれやれ。疲れきったので、しばし囲碁。
腹が減ってきたので、マタンゴチャリで小石川植物園の先にある某金融機関まで通帳記入に出かけ、その帰りにラーメンを食べてもどる。もどってみれば、日販さんからの書店注文のスリップが届いている。ああ、今日もペラペラだなあと思いつつ眺めていると、栃木の書店さんから、早速『子ねこチビンケと地しばりの花』の注文が入っていた。どうしてなんだろうか?いずれにせよ、ご注文いただき、どうもありがとうございます。
領収書類の細かい仕分けをしないといけないのであるが、とてもじゃないがやりきれない。そこで税理士事務所さんに電話。「すみません。あと、郵便とか交通費とかのこまかい領収書が残っているんですが」「こちらでやりますから、すぐ送ってください」。なんともありがたいお話だ。お言葉に甘えて、すぐ送ることにした。

子ねこチビンケと地しばりの花―未決囚十一年の青春
荒井 まり子
風塵社

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