風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

持ってけドロボー

2011年06月12日 | 出版
土日なく出社していることが続いている。つまり、何十日も休みがないということである。本日で何週間目になるのだろうか。まさに、労働することを自己目的化した、ウェーバーいうところの「資本主義の精神」の体現者である。とはいえ、会社に来て仕事ばかりをしているということでもなく、酒を飲んだり、昼寝をしたり、メシを食ったりしているわけであるから、純然たる労働の精度という点では、それほどの時間数にはならないのかもしれない。それでも疲れているのは事実で、そのため、おもむろにブログなんて書き始めて、愚痴を発散させようとしているわけでもある。
一昨日夜、三崎町Kさんの研究室をうかがい、『力道山をめぐる体験』を献本し、ついでにビールを飲みながらの四方山話となる。そこで先日、Kさんらで刊行された某研究誌をいただきペラペラ眺めていると、Sさんの論文に目的語がまったく理解できない文章があり、この目的語はなんだろうという話になってしまう。二人で一生懸命に分析してみたけれど、結局、よくわからなかった。
せっかくいただいた研究誌にケチをつけるつもりもないけれど、昔のポストモダンっぽい文章(ポストモダンもすでに古いねえ)には、雰囲気だけはなんとなくわかるけれど、文意はまったく伝わらないというものが多い。その論文もそうで、主語‐述語、修飾‐被修飾、動詞‐目的語の関係がさっぱりわからない。小生はSさんに親しいと勝手に思っているので、あえて苦言を呈せさせていただくと、これは典型的な悪文である。研究者たるもの、もう少し、相手に伝える文章を書くように努力された方がいいだろう。読み手の読解力はさておき、判読不能な文章を書き散らすのはオナニー以下である。なぜなら、読み手を苦しめるからだ。
話のついでに、いま考えている企画が2本あり、Kさんに相談してみる。一つは伏せておくが、もう一つは、『日本人はなにを翻訳したか?』という趣旨の本である。これは、現在の弊社の力量では難しいだろうなあと小生も思っているのでオープンにしてしまうわけであるが、幕末明治以来、日本人はどういう書籍を外国から翻訳し、咀嚼してきたかを解明することを目的としている。福沢諭吉、中江兆民に始まり現在のエコロジーに至るまで、その時代の言論構築をしてきた人たちは、すべて翻訳をしていたわけである。その実態・内容と社会的効果をまとめれば、これは面白い内容になるではないか。
ところが、弊社でこの企画を進めるには大きな問題があって、そこまで博覧強記な人と小生はお付き合いがないし、この文献研究を始めたら何年かかるかわかったものじゃない。ということで、幕末明治からスタートする企画は諦めることにした。したがって、他社でこの企画をまとめることにはまったく異論がないものであるけれど、もしやりたい出版社があったら、お金とは言わないけれど礼状くらいちょうだいね。弊社でやるならば、西垣通氏あたりの考えを分析しつつ、ここ20年くらいのインターネット思想が日本にどう取り入れられたか、というあたりにしぼるしかないだろう。
昨日も9:30に出社。あちこちに事務連絡のメールを送り、また、ああだこうだと段取りを済ませてから、『力道山をめぐる体験』の次の新刊の校正。11:00、某氏ご来社され、ある本を出したいけれど、うちで受けてくれるかという相談。快く了解するけれど、執筆その他はこれからの作業なので、形になるのはまだまだ先だろう。
そそくさと昼飯を食べてから、都内某所山谷まで。山谷某所にて某事に勤しむ。14:30、某事終了。「6・11 脱原発100万人アクション」に向かう友人もいるが、でもわたしには仕事が待っている。そのまま会社にもどり、仕事の続きを行なうことになる。ウーウーうなりながら校正作業を続け、そろそろ燃え尽きなんとするところに、F社社長から電話。「忙しい?久しぶりだから、酒でも飲まない?」。ようやく作業を終えてから、いそいそとF社に出向き、タラタラと焼酎を飲むことになる。その後、帰ってから爆睡。いやはや、健康的というべきか。
本日、7:00起床。10:00出社。昨日終えた校正の直しをしないといけない。途中、某氏から電話があり、17:00に湯島駅で某を受け渡しすることになる。直し作業は14:00終了を目標にしていたけれど、終ってみれば、結局15:30。あわてて荷造りをし、某運輸に発送をお願いする。気分転換にコーヒーを入れ、ボケーとしてからマタンゴチャリにまたがり、17:00に湯島駅の改札の前で待っていると、ケータイに電話が入る。「ごめん、ごめん。連絡するの忘れてた。今度会うときでそれはいいよ」。
それならばと、湯島界隈をチャリでブラブラ。このへん、文京区側と台東区側で微妙に雰囲気が変わっているので面白い。台東区側の方は、ビジネス街と風俗街が入り乱れた感じで、いかにも下町っぽい。QBハウスがあったのでついでに散髪しようと思ったが、人が並んでいたのでやめておく。
その後会社にもどり、難工事に取り組むことにする。しかし、今日は疲れてしまったのでここまで。明日、明後日は会社に泊まり込みになるのかいな。

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