ピカソ・マニマニア

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13番ホーム

2014-01-21 00:35:18 | 物語詩

 

ふと行く先を変えた

 

反対側のホームに到着した

特急電車に乗りたくなって

 

小一時間の乗車中

川を二つ越えて 終点に着いた

 

その間 そんな事しか考えていなかった

 

気が付くと 海の見えるその駅の 

13番ホームに立っていた

 

待てども待てども

電車は来ない

 

13番ホームは とっくに廃線になっていたのだ

 

ペンキの剥げた 古いベンチに腰かけて

遠く沖から寄せてくる波を見ていると

何故だか 涙が滲んできた

 

ただの気紛れと 

そんな自分に呆れていたが

 

暫くたって

むかし昔 恋い焦がれたひとが

片思いだと知っていたから

距離を置いていたひとが

 

あの日 その街で死んだと

風のうわさで聞いた

 

廃線の13番ホームから

きっと彼は旅立って行ったのだ

 

あの日 見えない列車を 私は

見送っていたのだ

 

 

 

         by  風呼              

 

   

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