Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

エラ フィッツジェラルド/エラ・イン・ローマ

2005年10月31日 23時23分27秒 | JAZZ
 昨夜、ルー・レヴィのところで話題に出したので、今夜はこちらを聴いてみた。エラ・フィッツジェラルドの全盛期(58年)のライブ・パフォーマンスである。とにかく凄いとしかいいようがないバフォーマンスで、一曲の「セント・ルイス・ブルース」からほとんど現代では再現不可能と思われるようなとんでもないスウィング感に圧倒される。エラ・フィッツジェラルドのどんな曲でも縦横に歌いこなす歌唱テクニックはいうはいうまでもないが、どんな歌でもものすごいスウィング感で縦横に曲をインプロヴァイズしていく様は驚異としかいいようがない。しかもこれだけやっていて、聴こえてくるものは、曲芸でも通好みな代物でもない。ごくごくまっとうで普遍的な楽しい音楽としかいいようがないものになっているのだから、これはある種奇蹟のようなものである。

 収録曲は全部で17曲。CD化に際してアナログ盤未収録の4曲追加されたらしくたっぷり楽しめる。エラ・フィッツジェラルドのライブというと、例のスキャット・ボーカルに象徴されるアップ・テンポでぐいぐいと進んでいくパフォーマンスを思い浮かべるけれど、「エンジェル・アイズ」とか「アイ・ラブズ・ユー・ポーギー」、「ミッドナイト・サン」「ソフィスケイティッド・レディ」といったしっとりとしたバラードも勘所に入っていて、これがまたとても味わい深くて素晴らしい。そして終盤には「レディ・イズ・ア・トランプ」「キャラバン」「サヴォイ・ストンプ」といった曲でライブの醍醐味をこれでもかというほど楽しませるてくれる。ちなみにスキャット・ヴォーカルをフィーチャーした「サヴォイ・ストンプ」のピアノはルー・レヴィではなくオスカー・ピータソンで、スウィンギーなテンションもここに極まりといったところである。
 しかし、当時の彼女のライブ盤はどれも非常にできがよく、このあたりから察するにライブ・パフォーマンスでは、常のこの程度の水準をキープしていたんじゃないだろうか。凄いことである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ザ・ルー・レヴィ・トリオ | トップ | サンタナ&マクラフリン/魂... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

JAZZ」カテゴリの最新記事