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ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/メモリー・オブ・リバプール

2005年06月27日 00時32分27秒 | JAZZ-Piano Trio
 ヨーロピアン・ジャズ・トリオは第1作目からビートルズの曲をアルバムに1曲入れてきた訳ですが、本作は1995年、ピアニストがボレリーからマーク・ローンにスウィッチしたのを機会に(なのかどうかはわかりませんが)、ともかく全曲ビートルズというコンセプトで制作されたアルバムのようです。選曲されたのは、当然といえば当然かもしれないけれど、ポール主体の作品ばかり、ジョンがメインな曲は「アイム・オン・スリーピング」と「ピコーズ」くらいですかね。後は「アンド・アイ・ラブ・ハー」、「イエスタデイ」、「フール・オン・ザ・ヒル」、「レット・イット・ビー」、「ロング&ワインディング・ロード」といった王道ビートルズ・スタンダードばかり(ジョージの「サムシング」も入ってます)。

 このトリオのコンセプトは、リズムにモダンなシンコペ入れたりはするものの、たいていは原曲のメロディーをあまり崩さず品良く歌うことことが多いのですが、このアルバムではそれがよく出てます。印象的な曲を拾ってみると、「フォー・ノー・ワン」は冒頭のクラシカルなインプロから次第に原曲に近づいていくあたりのプロセスがいいです。こういうセンスは彼らのメルクマールだと思います。「ヒア・ゼア&....」や「フール・オン・ザ・ヒル」あたりは、このトリオの上品でモダンでメロディックでというセンスと、原曲と素性がとても良くマッチした演奏。「ハロー・グッバイ」や「ウィズ・ア・リトル・」はチック・コリア風なダイナミズム、おもしろかったのは「アイム・オン・スリーピング」で、原曲のサイケっほいレイジーな感覚を、ヨーロッパ的な物憂げなムードに変貌させてます。「ピコーズ」は予想通りのキース風にクラシカルな展開でした。

 という訳で、私のようなビートルズが好きな人には楽しめる作品ですが、これまでの作品以上にインプロが少なめで、天下のビートルズという楽曲の良さに依存している演奏なので、まぁ、「サムシング」とか「ロング&ワインディング・ロード」みたいにインプロはほとんどなし、イージー・リスニング・ピアノすれすれな演奏になってしまうと、やはり「ジャズとは違うんじゃないか?」と批判はあるかもしれません。あと「レット・イット・ビー」もゴスペル風の曲ということで、キースっぽい8ビートでやってますが、これもちょいとハメはずし過ぎかなぁ。

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