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ウィントン・マルサリス/ライブ・アット・ブルース・アレイ(Disc.2)

2009年12月07日 00時24分40秒 | JAZZ
 ディスク2はチャーリー・パーカーの「オー・プリヴァーブ」からスタート。この曲は多分初めて聴くと思うのだが、たぶんオリジナルはビバップ風の曲なのだろう。この時期のこのバンドにしては珍しくストレートで、かつリラックスして演奏している。ミドル・テンポなのがいかにも都会的センスを感じさせるが、マルサリスは5以上のロング・ソロだが、リラックスした中にも自在に吹いている闊達さが印象的だ。後半を担当するマーカス・ロバーツは、なにやらレイ・チャールズを思わせる黒いソロで-これも数分に及ぶ長いソロ-けっこう「濃い」。インターバルにピアノ・トリオで演奏される「ノーズ・モウ・キング」を挟んで演奏される「なつかしのニューオリンズ」は、叙情的なバラード演奏で、ちょっとトミー・ドーシーを思わせる甘いムードがいい。

 同じくインターバル的な「ホアン」に続く「枯葉」は、「スタンダーズ・タイム vol.1」でのヴァージョンとほぼ同パターンのアレンジで演奏される。テーマの部分でテンポが自在に増減させるところや、全体にかなり高速で一気呵成に進むところなど、全く同じ趣向である。もちろん、こちらはライブだからして、ワッツの高潮ぶり、ロバーツの自在さなどはスタジオ録音に比べて数段エキサイトであるが、あくまでも完成したアレンジをライブで敷衍しているという雰囲気は、秀才マルサリスならではあろう。さて、終盤は4度目の「ノーズ・モウ・キング」からメドレーで「スケインズ・ドメイン」、そして「マッチ・レイター」へ突入していく。ほぼピアノ・トリオで演奏される「ノーズ・モウ・キング」の終盤にマルサリスのトランペットが乱入して、そのモチーフがそのまま「スケインズ・ドメイン」のテーマになっている趣向は、いかにもライブらしいカッコ良さがあり、マルサリスらしい気取りも感じられて、思わずにやりとしてしまう。

 この2曲はディスク2のハイライトだが、まず「スケインズ・ドメイン」は、あまりこねくり回したところがないストレートな作品なせいか、マルサリスがホットでワイルド、かなり粘るソロを展開しているのが珍しい。ワッツも4ビートをきっちりキープしつつ、お得意のアフリカ的なドラムを随所に披露している。「マッチ・レイター」は「スケインズ・ドメイン」と同様「Jムード」に収録された作品だが、スタジオ・ヴァージョン同様、比較的軽めの4ビートでもってリラックスして演奏されているようだ。前半のマルサリスのソロ・パートは、ロバーツがバックをつけないトリオ編成で前半吹いているのがおもしろいところだ。という訳で、満点のライブである。あまりにも破綻がなさすぎて逆につまらないみたいなところもないではないが、とりあえずこれだけやってしまったら、もう新主流派風なジャズではもうやることはない....となってしまうのも納得できようものだ。

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