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The GREAT JAZZ TRIO/Chapter II

2010年06月06日 23時33分43秒 | JAZZ-Piano Trio
 「ChapterII」は、先日取り上げた「再訪~ライヴ・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード Vol.1&2」のと同じラインナップによるスタジオ録音第一弾である。確かライブよりこちらの方が先だったと思う。ロン・カーターとトニー・ウィリアムスによる第一期はメンバーの3人があくまで対等な位置関係にあったトリオだったが、この第二期からは-イーストウィンドという本邦のレーベル側から要請もあったろうが-次第にハンク・ジョーンズをリーダーとする趣味の良いオーソドックスなピアノ・トリオへと変貌していくことなるのは周知のとおりである。

 さて、本作であるが、全編に渡ってほぼオーソドックスな4ビート・ナンバーばかりで構成されていた「再訪」に比べると、こちらは、1980年という時代の反映だったのか、はたまた新ベーシストのエディ・ゴメスが口を出したのか、けっこうフュージョン色が強い。1曲目の「デュプレックス」からして(H.ジョーンズのオリジナル)、8ビートのやや込み入ったリズムと4ビートが交錯するかなり手の込んだ作品だし、6曲目でエディ・ゴメス作の「ラスト・リッスンド」のイントロでH.ジョーンズはエレピを弾き、E.ゴメスのアルコをフィーチャーしたりしている。ラストに収録されたアル・フォスター作の「ジャスト・ビフォー・ドーン」では全編エレピをフィーチャーして、催眠的なムードが異色な作品にもなっている。

 もちろん、「再訪」と同様なストレートな4ビート演奏もあり、3曲目「オーニソロジー」や4曲目の「星影のステラ」では、前者のビバップ調、後者はまさにこのトリオならではのエレガントな演奏を展開していて、「再訪」のノリをそのままスタジオで再現したような仕上がりだ。また、2曲目の「サプライム」はH.ジョーンズのオリジナルだが、ラウンジ風の品の良い軽さがいかにもH.ジョーンズらしくて楽しめる仕上がりだし、6曲目に収録されたスティーヴィー・ワンダーの「オール・イン・ラブ・イズ・フェア」は、日本人が喜びそうなマイナーでメランコリック調の、実にしっとりしたバラード・プレイになっていて楽しめる。

 そんな訳で本作のフュージョン的というか、非4ビート系な音楽が随所に入った作品だったせいだろう、このトリオといえば「再訪」が大好きだった私は、どうしても本作に馴染めなかったのだが、先日、物故したH.ジョーンズへの追悼も兼ねて、久々にこれを聴いてみたところ、なかなか印象が良かったのは自分でも意外だった。何故かと考えみるに、やはり「グレイト・ジャズ・トリオはかくあるべし」というこだわりが、もはやそれほどでもなくなったことが大きいのだと思う。ともあれ、このところ良く聴くアルバムである。

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