1973年のワーナー3部作の最初の作品。私はこの三部作では本作のみ聴き逃していたのだが、本日ようやく聴くことが出来た(実は昨年の夏には購入済みではあったのだが)。アレンジは当然オガーマンで、後期ジョビンらしい、ボサノバというよりはもう少しシンフォニックなスタイルのブラジル音楽といった風情の作品で、次の「Urubu」とほぼ似たようなコンセプトで作られた作品といってもいい。
ただし、73年の制作ということもあり、その直前までやっていたCTIのイージーリスニング的な趣きもけっこう残っていて(メンバー的にもロン・カーター、リチャード・デイヴィス、アイアートなどもCTIメンツも使っていることからもそれが伝わってくる)、ジョビン自身が気持ち良さそうに歌っている比較的ポップな曲では、そうした色彩が強い。
聴きどころとしては、やはりアルバム中間部にあたる3,4,5,6曲目あたりだろうか。ここではボーカルがフィーチャーされCTI風なくつろいだ趣きに変わって、瀟洒なオーケストラがフィーチャーされ後期らしいシンフォニックな音楽になっている。6曲目の組曲「Crônica Da Casa Assassinada」は、ひょっとするとジョビンが担当した映画のサントラ曲を抜粋して構成されているのかもしれない。10分近い大作でジョビンが意図としたであろうエスニックな世界をシンフォニックに表現し、オガーマンのオーケスレーションは時にストヴィンスキーに接近したりとかなりモダンだ。
また、4曲目の「Tempo Do Mar」はちょっとミステリアスなアルペジオに乗って、ストリングスが極上の美の世界を繰り広げるし、ボーカルをフィーチャーした3曲目のタイトル・トラックや5曲目の「The Mantiqueira Range」はエスニックなムードとオガーマンの都会的なオーケストラ・サウンドが奇妙な対比を見せる作品になっていて、ちと一筋縄で行かないような印象もあるが聴き応えがある。
これらの曲をサンドイッチする5曲は、前述の通りCTI的なゆったりとしたイージーリスニング調で仕上げられている。特筆すべきは冒頭に収録された「三月の水」と「「Waters of March」のオリジナル・ヴァージョンの収録だろうか。これまでジャズ系アーティストによるカバーばかりを聴いてきたが、そういえばジョビンの歌でこれを聴いたのは確か初めてだったように思う。
また、7曲目の「Rancho Das Nuvens」と8曲目「Nuvens Douradas」はインストだが、いずれも地味ながらいかにもCTIらしい角がとれたシックで分厚いサウンドが展開されていて耳に快い。特に後者はCTIというよりはむしろ全盛期のヴァーブのサウンドを思わせる仕上がりで、聴いていて思わずアルバム「イパネマの娘」を思い出させる仕上がりになっていて絶品だ。
ただし、73年の制作ということもあり、その直前までやっていたCTIのイージーリスニング的な趣きもけっこう残っていて(メンバー的にもロン・カーター、リチャード・デイヴィス、アイアートなどもCTIメンツも使っていることからもそれが伝わってくる)、ジョビン自身が気持ち良さそうに歌っている比較的ポップな曲では、そうした色彩が強い。
聴きどころとしては、やはりアルバム中間部にあたる3,4,5,6曲目あたりだろうか。ここではボーカルがフィーチャーされCTI風なくつろいだ趣きに変わって、瀟洒なオーケストラがフィーチャーされ後期らしいシンフォニックな音楽になっている。6曲目の組曲「Crônica Da Casa Assassinada」は、ひょっとするとジョビンが担当した映画のサントラ曲を抜粋して構成されているのかもしれない。10分近い大作でジョビンが意図としたであろうエスニックな世界をシンフォニックに表現し、オガーマンのオーケスレーションは時にストヴィンスキーに接近したりとかなりモダンだ。
また、4曲目の「Tempo Do Mar」はちょっとミステリアスなアルペジオに乗って、ストリングスが極上の美の世界を繰り広げるし、ボーカルをフィーチャーした3曲目のタイトル・トラックや5曲目の「The Mantiqueira Range」はエスニックなムードとオガーマンの都会的なオーケストラ・サウンドが奇妙な対比を見せる作品になっていて、ちと一筋縄で行かないような印象もあるが聴き応えがある。
これらの曲をサンドイッチする5曲は、前述の通りCTI的なゆったりとしたイージーリスニング調で仕上げられている。特筆すべきは冒頭に収録された「三月の水」と「「Waters of March」のオリジナル・ヴァージョンの収録だろうか。これまでジャズ系アーティストによるカバーばかりを聴いてきたが、そういえばジョビンの歌でこれを聴いたのは確か初めてだったように思う。
また、7曲目の「Rancho Das Nuvens」と8曲目「Nuvens Douradas」はインストだが、いずれも地味ながらいかにもCTIらしい角がとれたシックで分厚いサウンドが展開されていて耳に快い。特に後者はCTIというよりはむしろ全盛期のヴァーブのサウンドを思わせる仕上がりで、聴いていて思わずアルバム「イパネマの娘」を思い出させる仕上がりになっていて絶品だ。
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