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The Best of ELIANE ELIAS On Denon

2005年07月12日 00時36分44秒 | Jobim+Bossa

 こちらは昨日にレビュウした2作に先立ち、80年代終盤頃、日本のデンオン・レーベルで制作した2枚のアルバムからのベスト盤です。先にも書いたとおり、基本的にはブラジル風味が見え隠れするNYフュージョンという感じですが、あまりエレクトリック色は強くなく、生ピアノをメインにしたアコスティックなサウンドです。また、今回、改めて聴いてみて、けっこうジャズ的色彩が濃厚な作品もあったことに気がつきました。

  ちなみに付属のブックレットが非常に簡素なものなので、参加しているメンバーの記載がなく、うる覚えのところもありますが、1曲目「Choro」では、レニー・ホワイトとゴメスによるトリオでタイトルとおりショーロをモダンにしたようなフュージョンを展開。2曲目の「Cross Current」と「Illusion」はピーター・アースキンとゴメスによるトリオのようで、複雑をキメを多用したやはりモダンな4ビート作品で、イリアーヌ自身のソロは前曲もそうでしたが、かなりアウトしまくるジャレット風、こういうパターンは後年あまり聴けなくなったスタイルで興味深いところですね。3曲目の「Through The Fire」はストリング・シンセの音がいかにもリゾードっぽい典型的サマー・フュージョン。ベースはスタンリー・クラークかな。これもリゾードっぽい5曲目の「Moments」はとゥーツ・シールマンのハーモニカをフィーチャー。6曲目「Beautiful Love」、8曲目「Falling In Love With Love」、10曲目「When You Wish Upon A Star」はスタンダード作品で、これはかなりまっとうな4ビート・アレンジで、最後の曲はディジョッネットのドラムが聞こえます。ラストの「Chan's Song」はハンコックとスティービー・ワンダーの共作で再びトゥーツ・シールマンのハーモニカをフィーチャーしてます。

  とまぁ、こんな感じで進んでいく訳ですが、いろいろなスタイルと器用こなしてはいるんですけど、あれやこれやとやりすぎて、全体としてはいまひとつ決めてに欠くという印象もなくはないです。この手のフュージョンにはドライブのBGMに使いたくなるような快適さだとか、ポップなキャッチーさなんかが重要なポイントだと思うんですが、どれもそのあたりが音楽主義的過ぎるというか、早い話が生真面目過ぎてつまんなくなっちゃったところがあるんですね。

 ※ ちなみに昨年購入し未聴覚だったアルバムに「Timeless」というのがありまして、サヴォイから出たということで、私の知らない以前の時代の作品かなとも思ってたんですが、さっき聴いてみたら見事にデンオン時代のベスト盤でした。曲はほとんどダブっているし、収録曲目も少ないのでほとんどメリットなし。デンオン時代のベストって他にもあるようですが、こんなの出すくらいなら、2枚とも出してしまえばいいのにとか思っちゃいますよね。

 

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