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ウラジミール・シャフラノフ/ Movin' Vova!

2010年01月14日 21時30分07秒 | JAZZ-Piano Trio
 ウラジミール・シャフラノフが1998年に録音した第3作。シャフラノフといえば、長らく81年の「Live At Groovy」と1990年の大傑作「ホワイト・ナイツ」しかカタログがなく、澤野工房で彼を知ったファンとしては、当然新作を期待した訳だけれど、これがなかなか出ず、おそらく澤野工房からのオファーによって、ようやっと制作されたのがこのアルバムということになるのだろう。前作の「ホワイト・ナイツ」はジョージ・ムラーツとアル・フォスターという超豪華なオマケが付き、仕上がりの方もエクセレントなものだったけれど、こちらは拠点となるフィンランドのペルオラ・ガッド(ベース)とユッキス・ウイトラ(ドラムス)を伴ってのトリオで制作されている。8年振りのアルバムとのことだが、「Live At Groovy」で横溢していた小気味よさ、「ホワイト・ナイツ」のピアノ・トリオとして非の打ち所がない完成度といった部分と比較すると、全体としてはもう少し普段着な佇まいというか、これは良い意味でいうのだが、気負ったところがないピアノ・トリオ・アルバムとなっている。

 収録曲はスタンダード中心(だと思う、私の知らない曲が多い)の選曲で8曲が収められている。1曲目は「Namerly You」という曲で、しっとりしたピアノ・ソロからスタートし、トリオとなってからミディアム・テンポの快適なスウィング感を振りまいている。自分の形容をもう一度引用させていただくと、シャフラノフは「ウィントン・ケリーばりの軽快なスウィング感+トミー・フラナガン的センスによるスタンダード解釈/ヨーロッパ的洗練」といったところになると思うが、この曲はウィントン・ケリーばりの軽快なスウィング感を感じさせる演奏だ。2曲目の「あなたと夜と音楽と」はトミー・フラナガン的センスによるスタンダード解釈といったところか、ちょっとオーバーにいえば、かの「セブンシーズ」を思わせる流麗なスウィング感が楽しめる。ついでに書けば、残ったヨーロッパ的洗練を感じさせるのは、ソロで演奏された「But Beautiful」あたりに感じられたもする。オリジナル作品である「Geta Way」は「Live At Groovy」での小気味よさを思い出させる、リズムをシャープに決める非常に小気味よい仕上がりになっていて、前述の3曲と並んでアルバム中のハイライトになっている。

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