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シェリーズ・マン・ホールのミシェル・ルグラン

2007年08月30日 23時19分37秒 | JAZZ-Piano Trio
 ミッシェル・ルグランというと、私にとってはなんといっても名作「シェルブールの雨傘」の音楽で一躍有名となり、その後母国フランスはおろか、ハリウッドまで活躍の場を広げた、フランシス・レイ、モーリス・ジャールあたりとならぶ、国際派のフランス映画音楽のコンポーザーみたいなイメージがあるのだけれど、ジャズの方面でも指揮編曲、そしてピアニストとしてけっこうな傑作を残していることは周知の通りだ。前者にはマイルス・デイヴィスその他の一流ミュージシャンを擁した「ルグラン・ジャズ」という名作があるし(私は未聴なのだが)、後者は本作「シェリー・マンズ・ホールのミッシェル・ルグラン」をもってトドメをさすといったところだろうか。

 このアルバムはルグランが映画音楽の仕事で訪米した際に、シェリー・マンの誘いに応じて、彼のドラム、レイ・ブラウンのベースというピアノ・トリオで収録されたライブ盤である。ルグランはコンセール・ヴァトアールで音楽を学んだせいのかどうか知らないが、編曲はもちろんだが、ピアノもかなりうまく、名うてのリズム・セクションを相手に堂々たるパフォーマンスを展開している。おそらく、ルグランはレイ・ブラウンやシェリー・マンといった相方や場所柄から判断したのだろうが、そのパフォーマンスはオスカー・ビターソンも真っ青といった感じの、やたらと手数の多い、饒舌にスウィングするプレイになっている。彼のピアノ・トリオのアルバムは何枚あるのかしらないが、おそらく彼の盤歴の中ではけっこうな異色作になるのではないだろうか。

 収録曲では、1曲目の「ザ・グランド・ブラウン・マン」、続く、そしてスタンダード・ナンバー「ザ・タイム・フォー・ラブ」あたりが、ルグランの器用なアラ・ピターソンぶりがハマって快適なスウィング感と華麗なフレーズが横溢した演奏となっている。また、スキャット・ボーカル入りの「マイ・ファィニー・バレンタイン」(そういえば彼の姉妹はスウィングル・シンガーズのソロとっていた人だと思うのだが、それと歌い回し似ているような気がしないでもない)や「ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー」といった有名曲ではさすがに、フランス的な香りを漂わせてひと味違う雰囲気を味合わせる。またラストの「ロス・ゲイトス」はフリー・インプロらしく、フリー・ジャズという訳ではないが、この曲だけはこれが録音された68年という時期を思い出させる演奏になっている。

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1 コメント

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明日、シアトルで (yokonov)
2007-09-04 23:34:42
明日、御歳75歳のミシェル=ルグランを、シアトルのジャズクラブで聴きます。カトリーヌ=ドヌーブの映画「ロシュフォールの恋人たち」「シェルブールの雨傘」とか、ピアノでポロりんポロりん聴けたらいいなと思います。楽しみです
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