タンジェリン・ドリームは、彼らの全盛期のひとつであるヴァージン・レーベルの初期に「リコシェ」というライブ・アルバムを残している。この時期の彼らが残した「フェードラ」「ルビコン」「ストラスフィア」といったアルバムはどれも名盤だが、「リコシェ」はライブ・アルバムであるにもかかわらす、前述の3枚に伍して何ら遜色のない、いや、ひょっとすると、それ以上に優れた音楽を展開していた傑作であった。 かの「リコシェ」は当時のタンジェリンが行っていた無数のライブ・ステージを収録したテープから、優れたパフォーマンスのみを抽出し、再構成されたアルバムだった。結果的にタンジェリン・ドリーム的なるものが非常に高密度に凝縮されていたことに加え、巧みな編集によって、まるで最初から1つの楽曲であったとしか聴こえないほどに、スムースな推移とスリリングな構成が感じられる、完成度の高い楽曲に仕上げられていたのである。
TANGERINE DREAM / Bootleg Box Set Vol.1(Sheffield `74.10.29)
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