という訳でこちらは、「大学祝典序曲」と一対(?)の「悲劇的序曲」です。このタイトルからなんとなく交響詩風というか、プログラム・ミュージック的なものを想像しがちですが、基本的にベートーベンの序曲群の延長線上に作ったという感じで、男性的で骨太な悲愴感をベースにしつつも、しっかりとソナタ形式を堅持しつつ出来上がった管弦楽曲という感じだと思います。
まぁ、そういうムードを持ったの曲なので、「大学祝典序曲」よりは、まっとうブラームスを感じとれるという意味で、こちらを愛好する人も多いかと思いますが、正直いうと、大学祝典序曲とこの曲、どうもブラームスとしてはいささか極端に振れ過ぎていて、わざとらしいといってはいい過ぎですが、なにか演出臭さみたいなものを感じないでもないです。ブラームスがこの時期音楽でもって語りたかった想いや情緒というのは、実のところ、両曲の中間くらいのところにあったのではないか、私は考えているからなんですね。
さて、セルとクリーブランドの演奏は非常にスリムで、まさにベートーベン流の演奏といった感じでしょうか。序盤の推進力もさることながら、このコンビの実力がよく出ているのは、やや低回気味な後半部でしょうか。緊張感がピーンと張りつめたようなテンションがあり、ダレることなく、壮麗な第2主題までもっていくあたりの、巧みな進行はさすがというべきでしょう。
まぁ、そういうムードを持ったの曲なので、「大学祝典序曲」よりは、まっとうブラームスを感じとれるという意味で、こちらを愛好する人も多いかと思いますが、正直いうと、大学祝典序曲とこの曲、どうもブラームスとしてはいささか極端に振れ過ぎていて、わざとらしいといってはいい過ぎですが、なにか演出臭さみたいなものを感じないでもないです。ブラームスがこの時期音楽でもって語りたかった想いや情緒というのは、実のところ、両曲の中間くらいのところにあったのではないか、私は考えているからなんですね。
さて、セルとクリーブランドの演奏は非常にスリムで、まさにベートーベン流の演奏といった感じでしょうか。序盤の推進力もさることながら、このコンビの実力がよく出ているのは、やや低回気味な後半部でしょうか。緊張感がピーンと張りつめたようなテンションがあり、ダレることなく、壮麗な第2主題までもっていくあたりの、巧みな進行はさすがというべきでしょう。