この2ヶ月聴いた数少ない初物のひとつ。ボールト、LPO、LSOという純英国コンビによるセレナード2曲と、ハイドン・ヴァリエーション、大学祝典序曲、悲劇的序曲、アルトラプソディーを収めた2枚組のブラームス集だが、お目当ては当然2つのセレナードということなる(アナログ時代によく聴いたジャネット・ベイカーをフィーチャーした「アルトラプソディー」も懐かしいが)。
ボールトという英国の指揮者のことはあまり知らないのだが、この演奏の印象としては重厚かつ安定感があり、虚飾を排した質実なブラームスという印象である。それまで聴いていたケルテスとLSOの演奏がこの曲のBGM的な嬉遊性にフォーカスしたものだとすると、ボールトは明らかに「交響曲作家ブラームス」に相応しい偉容だとかスケール感をこのセレナードにも求めているような感じなのだ。具体的には第1番第1楽章など「英雄」を思わせる壮麗さを見せるし、やはり第2番第1楽章などケルテスのさっそうとしたテンポに比較すると、異様なほどに遅さに驚いたりもして、両者の違いはかなり鮮明、なかなかおもしろい聴き比べとなった。
そんな訳で、この曲に北ドイツ的なブラームスらしさを求めるならボールト、一風変わったロマン派風のセレナードとして曲を単体として楽しむならケルテスという感じだろうか。いずれにせよ、一長一短ではある。ただ、まぁ、iPodにボールトの演奏が入っていたら、通勤途中に聴いてあんな感じで耳に馴染んでいなかったとは思う(笑)。
ボールトという英国の指揮者のことはあまり知らないのだが、この演奏の印象としては重厚かつ安定感があり、虚飾を排した質実なブラームスという印象である。それまで聴いていたケルテスとLSOの演奏がこの曲のBGM的な嬉遊性にフォーカスしたものだとすると、ボールトは明らかに「交響曲作家ブラームス」に相応しい偉容だとかスケール感をこのセレナードにも求めているような感じなのだ。具体的には第1番第1楽章など「英雄」を思わせる壮麗さを見せるし、やはり第2番第1楽章などケルテスのさっそうとしたテンポに比較すると、異様なほどに遅さに驚いたりもして、両者の違いはかなり鮮明、なかなかおもしろい聴き比べとなった。
そんな訳で、この曲に北ドイツ的なブラームスらしさを求めるならボールト、一風変わったロマン派風のセレナードとして曲を単体として楽しむならケルテスという感じだろうか。いずれにせよ、一長一短ではある。ただ、まぁ、iPodにボールトの演奏が入っていたら、通勤途中に聴いてあんな感じで耳に馴染んでいなかったとは思う(笑)。