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ブラームス交響曲第1番/セル&クリーブランド管弦楽団

2006年07月02日 22時08分17秒 | ブラームス
 5月に注文してあったジョージ・セルのブラームス全集がやっと届いた。全集といっても単売のものを3枚なのだが、どうも中の一枚が揃わなかったらしく、一ヶ月半近くたってやっと届いたものである。セルのブラームスはアナログ盤時代から、おそらく全部聴いていたハズだが、ブラームス的なベトベトしたところを割ときれいさっぱり削ぎおとした演奏というイメージを受けたせいか、個人的にはそれほど印象に残らなかったのだが、最近とみにセルの降った演奏が好みに合うようになってので、とりあえず今聴いたら、どんな印象を受けるだろうと注文した訳である。

 さて、この一番だけれど全集の中では一番違和感のあった演奏だったと思う。とにかく冒頭の異常な早さを筆頭に、全体にアンサンブルを締め過ぎて、第一番特有の鬱蒼とした森みたいなオーケストレーションの魅力が後退していると感じものだ。今回改めて聴いてみると、冒頭のテンポはやはりちと早すぎると思うが、5月にドラティやマッケラスを聴いていたせいか、こちらのりこだわりが後退したせいなのか、ともあれさほど違和感は感じなかった。当時はこういうひたすら筋肉質で、各声部がくっきりと分かれて聴こえるブラームスというのは、もう「違和感あるのみ」という感じだったのだが、こういうブライチもありだろうなぁと素直に思う。

 あと感じるのは、セルの演奏って、一般的には冷たいとか合理主義とかいわれているようだけれど、今聴くと十分ホットな演奏だということ。これはセルとゼルキンの組んだピアノ協奏曲の時も感じたんだけど、テンポはあんまりゆらしていないけれど、時にフォルテでガツンと来るところの落差感だとか、第一楽章の展開部でのうねりとか最終楽章での高揚感など、やはり良い意味で「戦前のスタイル」を感じさせずにはおかないところが、なんとも聴き応えありました。
コメント (4)
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